2020年を迎え、本紙では青葉区の小出重佳区長=写真=に区政インタビューを行った。小出区長は昨年末に公表された区民意識調査の結果を踏まえながら、「住みつづけたい・住みたいまち青葉」に向けて取り組んでいく意欲を語った。聞き手/本紙・佐藤信彦
──19年の振返りを。
「昨年に区制25周年を迎え、11月の区民まつりで記念式典を開催しました。区の歩みを振り返りつつ、区民の皆様とともにお祝いすることができました。式典に合わせて自治会・町内会を紹介した記念誌も作成し、活発な地域活動を知って頂く機会にもなりました。新しい事業の一例としては、健康づくりの取組をトータルに推進する『あおば健康スタイル』を展開し、区内の医療関係者・大学・団体等と連携を強化して様々な事業を推進してきました」
──区民意識調査の結果が公表されました。
「意識調査は昨年7月から8月に区内在住の3000人を対象に実施し、12月にまとまりました。結果を見ると、区内に住み続けたいと答えた人が81・3%、区に愛着や誇りを感じるかという質問には『感じている』『やや感じている』を合わせて80・1%でした。多くの方が青葉区に魅力を感じている結果となり、うれしく思っています。一方、居住地域における課題や問題を尋ねたところ、36・5%の方が『近隣の人とのつきあいの希薄化』と答え、一番多い結果でした」
──意識調査などを踏まえ、今後の施策について教えてください。
「区の人口も横浜市と同様に昨年をピークに減少に転じると推計され、少子高齢化も進むことが予想されています。引き続き、さまざまな人や活動のつながりづくり、健康づくりに取り組むとともに、花や緑、豊かな自然など区の魅力を共有し、広く発信することにより、次の5年、10年後も『住みつづけたい・住みたいまち青葉』であるように、区民の皆様と力を合わせて取り組んでいきたいと考えています」
災害への備えは
──昨年は台風の被害もありました。防災面での対策は。
「意識調査によると、自宅が洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域に含まれていることをご存じの方が約4割にとどまっていることが分かりました。近年、局地的大雨や異常気象が頻発している状況や、昨年の台風15号、19号の襲来時の状況も合わせ、なお一層の啓発が必要と考え、地域に出向いて実施する『青葉区風水害出前講座』を今年度に続き、来年度も開催していきたいと考えています。また、地域防災拠点等の避難所が円滑に運営できるよう充実を図っていきます」
「ソーシャルパワー発揮を」まちづくりプランも
──改めて力を入れていく施策は。
「『あなたの力の1%をあおばの未来に!』と題して区民・地域の力『ソーシャルパワー』を発揮していただく環境づくりを進めていきます。青葉区について愛着や誇りを感じている人が多いことを踏まえて考えると、ソーシャルパワーを発揮してくださる区民の方は潜在的に多くいらっしゃるはずです。そこで、ご自身にとって興味・関心のある活動の場の提案や、充実感を得られる活動内容など、『始める』『参加する』きっかけづくりを行っていきたいと考えています。また、地域の中で知り合いや仲間づくりの機会としてもソーシャルパワーを活発化させる取組には力を入れていきたいですね」
──そういった取組の中で手応えは。
「コミュニティビジネス等の社会的起業を目指す『セカンドキャリア地域起業セミナー』や活動を始めたい人向けのセミナー『あおばdeスタートセミナー』は開始して3年目になりますが、起業や活動を始める人も誕生しています。今年度は両セミナー参加者のフォローアップも兼ねて、起業等の事業プラン支援や個別相談の機会を設けるとともに、参加者の交流やネットワークづくりを進めているなど、フォローアップにも力を入れています」
7駅周辺のプラン改定
──まちづくりで言えば、駅周辺のまちづくりプランを改定中です。
「今年度中に田園都市線沿線7駅を対象に、駅周辺の将来に向けた方向性として『田園都市線駅周辺のまちづくりプラン』を改定します。各駅それぞれの特性ある機能を生かし、適切に相互の機能を分担・連携することで、すべての世代が暮らしやすく、選ばれ続ける魅力的なまちづくりを進めていくことが目的です。プランの改定にあたっては、駅周辺の自治会・町内会や商店会等と意見交換なども実施してきましたが、区民、事業者、行政の三者がこのプランを共有し、できることから各主体が連携を図りながら取り組んでいくことが大切だと考えています」
北西線3月開通
──3月に首都高速「横浜北西線」が開通します。
「 北西線の開通で臨海部から横浜青葉ICまでが直結され、横浜港や羽田空港へのアクセス性の向上や、災害時等の道路ネットワークの拡充、保土ケ谷バイパス等の渋滞改善などの効果が期待されます。開通は3月22日ですが、2月29日には道路上を走るファンランイベントも開催されます。また、高架下を身近なスポーツの場として活用できるよう、引き続き、道路管理者や関係局との調整を進めていきます」
──最後に区民にメッセージを。
「今年は東京2020オリンピック・パラリンピックが開催される年であり、大会開催を盛り上げるとともに、地域スポーツの振興を一層進めていきたいと思います。また、昨年の大型台風の襲来を踏まえ、大規模災害に対する備えはますます重要となっています。こうした中で、青葉区の魅力や活力を次の世代に確実に引き継ぎ、将来にわたって『住みつづけたい・住みたいまち』であり続けることが重要です。そのために今年も『つながり』を育み、『健やかさ』『魅力』を高めていくとともに、『安全で安心して暮らせる』まちづくりに区役所一丸となって取り組んでいきます。引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げます」
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