青葉区で昨年初めて開講した「みらいづくり大学」の卒業式が、2月27日に行われた。地域課題の解決や魅力向上のための手法を住民らが学ぶもので、当日は受講者の研究成果発表も実施。「卒業制作」のパネルは、3月4日まで区役所1階に展示されている。
これは、2014年度から横浜市が各区で実施する「協働の『地域づくり大学校』事業」。地域活性化の担い手育成の試みとして、区民と区職員の総勢50人が地域の魅力を探り、発信していく取り組みだ。
青葉区では昨年9月に初めて開講。「あおば魅力発見講座」として全6回企画され、史跡見学や専門家による講義を通して青葉区の特色を学習。歴史、文化、街、アートのジャンルで5つのグループにわかれ、地域の魅力やその発信法について話し合いを重ねてきた。最終講座となる今回はグループごとの成果発表と卒業式が行われた。
当日は、横浜美術大学=鴨志田町=の教員らの協力で制作されたパネルを前に、各グループが成果を披露。「アート」のグループは「横濱のバルビゾン」をテーマに寺家ふるさと村を研究。自然や「モノづくりの里」としての魅力を探り「懐の深さを再発見した」と総括した。ほかにも区内の9つの駅を中心に史跡や建造物、風景を写真入りで紹介するグループや、カレンダーで魅力を伝えるなどそれぞれの個性あふれる発表となった。アドバイザーとして参加した国立教育政策研究所の笹井宏益氏は「地域づくりの取り組みが他者にもわかる形で成果物として残り、本当にすばらしい。発見したものを、発信していくことが大切」と講評を寄せた。
続いて行われた卒業式では、学長として参加した青葉区連合自治会長会の松澤孝郎会長から卒業証書が授与された。アートのグループに所属し、代表で証書を受け取った今井康之さん(73)は「今まで気づかなかった魅力を探しながら、この地域への理解を深めることができた」と笑顔で振り返った。区の担当者は「今回見聞きしたこと、学んだことを、今後地域で活動する時に生かしてもらいたい」と話した。
学生がイラストで記録
他区と異なる取り組みとして、この講座には横浜美術大学の学生が参加し、発言内容や話の要点をイラストを交えながらその場で描いていく「グラフィックレコーディング」を実施。イラストレーションコースの学生が毎回2人参加し、講座の内容を模造紙にまとめた。全6回の間に描かれた模造紙は約30枚にのぼり、議事録代わりに眺める受講者の姿もみられた。全回に参加した高橋真由加さん(4年)は「最後まで難しかったが楽しかった。描くことにも、講座自体にも発見があって有意義だった」と話した。
「みらいづくり大学」は来年度も実施予定で、現在新たな講座を企画中だ。今年度の受講生が作成したパネルは、4日まで区役所に展示された後に、山内図書館など区内の公共施設でも順次展示される予定。
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