青葉区を拠点に妊娠・出産・育児のサポートを行う「カンガルーの会」(高島恵子代表)が全ての妊婦とパートナーが新型コロナウイルスのPCR検査を受けられるよう求め署名活動を実施。6月3日、内閣総理大臣宛ての署名2140人分を政府に提出した。
署名集めはゴールデンウイーク明けから開始。感染リスクや妊産婦の孤立を懸念し、症状の有無に関わらず全ての希望する妊婦と出産に立ち会うパートナーのPCR検査を公費で実施すること、また、休業中の妊婦への十分な所得補償を求めたものだ。
署名開始時点では一部自治体を除き、希望しても全ての妊婦が検査を受けられるわけではなかっことが活動の背景だったが、政府も問題を認識。5月27日には希望する出産間近の妊婦への公費によるPCR検査の実施と、妊娠中に有給で休業させた事業所に助成する案を盛り込んだ第2次補正予算案を閣議決定している。
署名で要望している内容の一部は実現する運びとなったが、同会は対象から漏れているパートナーも含め、検査を実施するよう要望するとともに、「検査が確実に、早期に実施されるようお願いしたい」と予定通り署名を提出した。
妊婦の孤立、懸念
カンガルーの会は普段、鴨志田町の助産院「バースあおば」(柳沢初美代表)を拠点に活動。今回の署名活動は、同会メンバーでもあるバースあおばの柳沢さんら助産師たちが新型コロナウイルスの流行の最中にある妊婦の状況を危惧し、妊婦やその家族の声を伝えようとしたのがきっかけ。
日々、お産の介助や産前産後のケアにあたるなか、妊婦と助産師、新生児らが「3密」とならざるを得ないお産の現場での感染リスクや、コロナ禍で妊産婦がサポートを得づらく孤立しがちになっている現状を柳沢さんらは危惧してきた。首都圏から地方へ里帰り出産を希望しても帰省先の病院が受け入れないなど里帰り出産が困難になっている上、入院中は出産立ち合いや面会が制限され、家族と会えないケースも多い。妊婦自身の感染がはっきりしないなか、サポートが必要な産後も実家等の助けを得づらくなっているという。
柳沢さんは「妊娠はそれだけで大変なので自分で声を上げるは難しい。だから会として妊婦の声を代弁し届けるのが使命」と話す。
「パートナーも検査必要」
署名提出後は、柳沢さんらが厚生労働省の職員に今後の検査体制や検査場所での感染対策の方針について質問。助産院の現場では出産を控える妊婦から検査が間に合うか不安の声が上がっている状況などを伝えるとともに、「里帰り出産ができるよう、分娩前だけでなく妊娠中期での検査も加えることが妊婦の安心につながる」と指摘した。
また、出産時にパートナーの立ち合いが制限されている現状を受け、「子育てに『感情』は原点。お産の現場を共有することは、その後の育児にもつながる」として、パートナーのPCR検査の必要性を強調した。
柳沢さんは「短期間のうちにこれだけの署名が集まり、活動を後押ししてもらった。パートナーへの検査も不可能ではないはずなので、先へつながれば」と語った。
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