今月7日に行う花まつりで稚児行列を実施する「緑・青葉区連合仏教会」会長 河本 冏文(こうもと けいぶん)さん 上山在住 77歳
文化の伝承努める元校長
○…44ケ寺が加盟する『緑・青葉区連合仏教会』の会長を務める。平成16年に就任し、現在8年目。7日に行う花まつりでは、自身が子どもの時に体験した稚児行列を会として初開催させることに尽力した。昭和20年代半ばから40年代前半の華やかだった当時を知る住職は今では残っていない。「加盟寺院が全体で参加できる恒例行事に育て、魅力のある会にしていきたい」と願う。
○…岡山県の観音寺で産声を上げ、小学校に上がる頃に父親が萬蔵寺の正住職となり上山に移り住んだ。幼少期の事を「正に”門前の小僧、習わぬ経を読む”」と話すように、見よう見真似で経文を覚えた。寺の息子として自然な流れで、住職への道へ。昭和30年の就任から、約40年をかけて茅葺だった本堂をはじめ、山門や地蔵堂など寺の形態を整えてきた。「近年、古くからのしきたりが薄れてきてしまっている」と嘆くが、だからこそ「仏事や仏教の精神をしっかりと伝えていかなければ」と考える。
○…学生時代に漢文学に興味を持ち、二松学舎大学文学部に進学。1年の時に市内中学校で講師を始めたことがきっかけで昭和33年には、大学院に在籍しながら中学校の国語の教師となった。55歳から定年までは樽町中(港北区)で校長も務め、住職との二足の草鞋を履き続けた。「日本文化を子どもたちに教えることは教師も住職も共通する点があったのではないか」と話す。
○…寺では未就学児から高齢者までを対象に書道塾を開くなど、地域とのつながりは深い。授業の一環で寺を訪れる小・中学生らに対して、幼少期に横浜線目がけて投下された爆弾を目の当たりにした実体験や、これまでの寺の歴史を語っている。「日本人が大切にしてきた以心伝心の心などを後世に語り継がなければいけない」。教育者の経験を生かし、日本文化を伝承する活動は今後も末永く続いていく。
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