緑区外国人支援ボランティア養成講座の実行委員長を務める 正田 眞言(まこと)さん 西八朔町在住 67歳
言葉通して「日本」伝える
○…「ボランティアの日本語教室は、教える側も教わる側も動機は様々。それ故の難しさもある」。外国人支援のためボランティアが行う日本語教室は、現在緑区内に8教室。さらなる裾野の拡大のため、養成講座を開催し、その実行委員長として奔走する。「本当はもっと適任者がいる」と謙遜するも、「講座では、ある種の生活相談のような(日本語教室の)特殊なコミュニケーションを伝えられたら」と言葉に熱が帯びる。
○…定年後、すぐに日本語ボランティアを始めた。きっかけは会社時代の友人が面白そうにやっていたのと、海外での勤務経験があったから。さらに「英語を生かすのはあくまで理由の一つ。外国人と交流することで刺激を受けたい」と語る。2年半活動してきた中で「印象に残っている」と語るのは、フィリピン人男性が転職試験を受ける前に、話の仕方や内容について相談を受け転職が上手くいったこと。「とても嬉しかった。言葉だけでなく、『日本』の空気感や文化を伝えられる時が何より楽しい」
○…現役時代は大手銀行の行員。スタッフ業務から海外企業への貸し出しや審査など、「ありとあらゆる仕事をやった」と振り返る。現在の趣味は、こちらも定年後に始めた陶芸。湯呑や茶碗などを作るというが「ちっとも上手くならない」と苦笑い。第二の人生に関して「職場とは違う新しい世界。女性が多いし、サラリーマンとは考え方が違う。新鮮です」と、充実した表情をのぞかせる。
○…「外国の方が住みやすくなるようなお手伝いをしたい」と活動への想いを語る。だからこそ、実際に活動している中で「今は日本語を教えることが前面に出ている。でも、もっとゆるく、日本人と外国人が垣根なく集まるクラブのような形でもいいのかな」と感じることがあるという。誰かの役に立つのに国境はない――。日本語ボランティア、そして第二の人生はまだ始まったばかりだ。
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