10周年を迎えた「おはなしサンタ」の2代目代表を務める 乾 尚子さん 長津田みなみ台在住 48歳
「言葉の魅力」を信じて
○…「気づいたら10年が経っていた」とこれまでを振り返る。子どものためにと通っていた「読み聞かせボランティア講座」の会場で知り合った長津田地区センターの豊田和美副館長(現館長)に誘われて、同講座の参加者と共に会を発足。「お話というプレゼントを袋一杯にもってくる」という意味を込めてサンタを名前に入れ、子どもたちに本への関心を深めてもらうための活動を行ってきた。
○…6年前、2代目の代表を任された当初は、プレッシャーから断ろうとしたが「会のためには誰かが先頭に立つしかない」と一念発起。作曲や脚本を得意とする会員の協力を得ながら、専用のBGMや影絵などを盛り込んだ「五感に訴える作品」を届けてきた。「おはなしには、作者がそれぞれ込めた思いがある。その力を信じ、作品にあった演出をしながら読めば自然と楽しむことができる」と魅力を熱く語る。
○…幼少期に両親がしてくれた「読み聞かせ」が今の活動の原点。「幼少期に聞いたお気に入りの話があるけれど、怖い内容だから会ではまだやってないんです」と笑みを見せる。高校のころから語学に興味を持ち、大学では英文学を専攻。卒業後には渡米して、語学により研鑽を深めた。帰国後も英会話や異文化の研修を行う会社に勤め、常に”言葉”が身近にある環境だった。結婚後は、自身の子どもにも様々な本を読み聞かせたという。「中学3年生の娘は今では一番シビアな観客。表現方法などをダメ出ししながら、より良い作品ができるよう手伝ってくれる」と目を細める。
○…今後も常に新しい取組みで子どもたちを楽しませる。また、地元にちなんだ絵本を読むなど、より地域に根差した会にしたいと意気込みを語る。「10周年を迎えた今回のように、いつの間にか地域で何十年も存在している会になってほしいんです」と、読み聞かせのような柔らかな口調で展望を語った。
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