夕どきサロン鴨居など数々の地域行事で料理を振る舞う 佐藤 チヨ子さん 鴨居在住 74歳
大勢で囲む食卓で幸せを
○…食事や酒を囲みながら地域住民が交流する「夕どきサロン鴨居」で料理づくりを任されて4年になる。調理師免許を持っていることもあり、鴨居の地域行事には欠かせない存在だ。地元の食材を使った懐かしい惣菜や家庭料理を得意とする。中でも十八番は「きんぴらごぼう」。これを目当てにサロンを訪れる人も少なくない。料理を作っていて最も嬉しい瞬間は、「自分の料理を囲んだ人たちに笑顔と会話が生まれ、また新しい絆が生まれていく瞬間」。そのために、「この野菜は〜さんの畑でとれたのよ」などとシェフ自ら積極的に会話を振るようにしているという。
○…福島県生まれ。実家は、福島市を一望できる信夫山にある旅館だった。「家族だけでご飯を食べた記憶がない。旅館には、地域の人や宿泊客が大勢いた。いつも、誰かと食事を一緒にするのが当たり前だった」と振り返る。高校卒業後、結婚するまでは実家の旅館を手伝う日々を過ごした。
○…結婚後は東京へ。夫と2人だけで食事をする日々は、「なんだか、すごく違和感があったわ」と懐かしむ。その後、4人の子どもに恵まれた。写真現像の仕事をしていた姉に誘われ、鴨居駅前で写真屋を始めたのは、40代後半の頃。商売を通じ鴨居の街とも深く関わるようになった。60代以降は児童の放課後支援に携わったことも。「今までたくさんの人たちと関わってきた。思い浮かぶのは感謝ばかり。恩返しはやはり料理でしたい」。そんな思いで調理場に立っている。
○…誕生日や敬老の日には、娘や孫など家族が食卓に集まる。「家族の中では、料理を振る舞われる側になりつつあるね。やっぱり、大勢での食事がとても楽しい。大勢の笑顔を生む、そんな料理をこれからも作っていけたら」
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