65歳以上に向けた新型コロナワクチンの接種が横浜市でも進んでいる。87万人(7月13日時点)が接種しており、その大半が90万人いる対象高齢者だという。一方でコロナ感染が再拡大するなかで、若年層向けの接種は見通しが立たない。本紙では戸塚区医師会の悦田浩邦会長と戸塚区の飯野真理福祉保健センター長に区の接種状況などを聞いた。(7月16日起筆)
――65歳以上のワクチン接種について戸塚区の状況を教えてください。
飯野「28万人いる戸塚区民の中で65歳以上は約7万2千人。市の接種人数のうち区民の数はわかりませんが、予約ベースで目標とする65歳以上の約8割は見通しが立ちました。現在64歳以下の基礎疾患がある人や高齢者施設従事者を対象にしている段階です」
悦田「横浜市の接種人数の割合と、戸塚区の割合はほぼ同じではないかと思います」
飯野「戸塚区民以外も利用する集団接種会場に関して言うと、概数でしかわかりませんが7月11日までの戸塚スポーツセンターでの接種は約1万5千回、東戸塚地区センターは約6千回弱です。医師会の先生方に枠を増やしていただいて、当初よりも増えています」
悦田「戸塚スポセンは医師3人に看護師6人、東戸塚は医師2人、看護師4人で対応しています。効率化が進み、医師3人で15分に30人くらいのペースです。また、いまは集団接種よりクリニックなどでの個別接種の方が数が多くなっています。市からの要請があり、例えば私のクリニックも7月は土日、大きい病院でも多めに接種するなど、区医師会でも一致団結して頑張っているところ。順調ですね」
――ワクチン接種後の注意点は。
悦田「自分たちが終わったからOKとは思ってほしくないです。引き続きマスク、エチケットは守り、いまは旅行、買物、集団でのおでかけなどは我慢してほしい」
飯野「やはりマスクを外した会食が一番危険。ワクチンを打っても安心というわけではないので、新しい生活様式が続くことは意識を」
計画立てづらい状況
――コロナが再び流行し始めています。
悦田「市も東京都と同じく重症患者の半分以上が50代以下。高齢者ワクチンもあるかもしれませんが、若者に感染が広がっている。区内の医療機関からの発生届の数では5月が一番増え125件、6月は82件と減少しましたが、7月は再び拡大するのではないかと危惧しています」
飯野「若年層の方が増えている状況で、注意しなくてはなりません」
悦田「体制としては昨年より陽性確認ができるクリニックなどが増えています。PCR検査のほかこれまで保健所がやっていた濃厚接触者のチェックを医療機関でも担当しています」
飯野「先生方の協力で以前よりは検査体制が拡充していると思います」
――若年層への接種スケジュールは。
飯野「まだ未定です。わかり次第お知らせいたします」
悦田「横浜市はちょっと遅れ気味だと感じます。また、ワクチンの供給が7月中旬でストップがかかりました。私のクリニックは16日までは希望数が来てましたが、30日の週は希望数が確保できていません。個人院レベルではスケジュールの変更を余儀なくされ計画が立てづらい状況です」
「無理せず受診を」
――コロナ以外で気を付けなければいけない健康面でのアドバイスを。
飯野「いま流行しつつある呼吸系のRSウイルスなど、ほかの疾患の受診控えが起きないよう注意が必要です。具合が悪いのは無理せず、感染対策をしたうえできちんと受診していただければ」
悦田「基本的に病気を我慢することはよくありません。安全に受診できる体制は確保できていると思うので、健康不安があれば積極的に来院を」
――最後に区民にメッセージをお願いします。
飯野「ワクチン予約に関してご迷惑をかけて申し訳なかったです。もし不安なことなどがあればコールセンター、つながらなければ区役所に是非ご連絡ください」
悦田「ワクチンの2回目はやめようと思っている人もいますが、2回打つようにお願いします。医師会一丸となっていますので、ぜひご協力を」
![]() 戸塚区医師会の悦田会長
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![]() 4月に就任した飯野センター長
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