3月8日は国際連合が「国際女性デー」と定め、女性の社会参加を訴える日と位置付けられている。本紙では、市内で性別にかかわりなく活躍できる社会づくりを目指す(公財)横浜市男女共同参画推進協会の田雑由紀乃理事長を取材した。田雑理事長は前提として「"男らしく""女らしく"ではなく"自分らしく"が何より大事」と話しながら、国際女性デーに合わせてより女性が生きやすい社会改善への思いを語った。
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同協会では市内3カ所で男女共同参画センターを運営し、1987年の発足以来、女性の社会参加に注力し続ける。一方でいまだ日本はジェンダー格差指数が先進国の中で最下位。同協会は日本社会には「女にはできない」など女性にとって負の言葉が日常生活にあふれているとして、女性著名人から真逆の励ましの言葉を集め、1年前から発信している。今年の国際女性デーにはこうした言葉を使い「わたしの言葉のお守りノート」を作成し、館内で配布。田雑理事長は「ノートには自分が大切にする言葉を書くスペースもあります。『いいな』と思った言葉を書き留め、ふとした時に見返して励ましになれば」と話す。
避難所で課題浮き彫りに
多くの課題が残る中、東日本大震災時に避難所運営の中心を担ったのは96%が男性で、女性に不利な状況があったという調査結果が内閣府から出されている。実際に避難者はナプキンなどの女性用物資を手に入れにくかったほか、がれき処理を行う男性には日当が支払われ、避難所の食事準備をする女性には対価が支払われなかったという事案があった。田雑理事長は「女性も男性も一緒により生きやすい環境を模索し、情報を共有していくべき。私たちも改善のために防災出前講座などを行うことで情報発信に努めていきたい」と語っている。
注目される「生理の貧困」
近年注目されるのが、女性が抱える生理の悩み。とくに、経済的な理由などで生理用品の購入が困難となる「生理の貧困」が取り沙汰された。男女共同参画センターでは無料配布を行ったほか、横浜市社会福祉協議会と協力し、ナプキンの代わりに繰り返し使える吸水ショーツのプレゼントを実施。「応募の6割がひとり親家庭。中には、娘が使用する分を優先し、自分はナプキンを交換するのを我慢しているという回答もありました」と田雑理事長。同会では継続した支援を行っていく方針だ。
誰もが生きやすい横浜に
現在は賃金や就労などで男女格差があるため、女性に対する取り組みが多いが、「男女共同参画」の名の通り、女性だけでなく男性も利用ができる施設だと田雑理事長。同協会に寄せられる電話相談も1割が男性で、学生向けに行うデートDV防止ワークショップも受講生の半数は男性だ。「男性にも『男だから弱さを見せちゃいけない』という呪縛があるはず。誰もが生きやすい横浜市にするために、今後も活動していきたい」
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