戸塚消防署(岸信行署長)の各地区消防・救助隊員が6月20日から23日にかけて、影取町にある旧ラウンドワンで資機材訓練を行った。施設の防火扉などを実際に切断するなど、解体前の建物を有効活用したもので、貴重な経験となった。
訓練場所となったのは、昨年8月末に区民から惜しまれつつも閉店した旧ラウンドワン横浜戸塚店。4階建ての建物にはカラオケボックスやボウリング場などが揃う。今回の訓練は、現在土地を所有する(株)スズキ自販神奈川(田中章泰代表取締役社長)=保土ケ谷区=に同署が依頼したことに起因する。
同署では今年度からより訓練に力を入れようと、解体予定の建物を探してきた。市建築局の専用サイトから見つけたのが同地で、今年6月頭の依頼から1カ月弱で訓練にまで持ち込めたという。大正消防出張所の向井正臣所長は「閉店後、たびたび変わった土地所有者に聞いて回り、スズキ自販神奈川さんと分かった」と説明し、「工事が本格的に始まる前にでき、関係各位の協力があってこそ」と感謝を示す。
訓練では吉田救助隊や大正消防隊など6隊のほか、22日は戸塚消防団(鈴木進団長)も参加。さまざまな災害を想定し、非常階段の防火扉をエンジンカッターで三角形に切り抜き、手を忍び込ませて鍵を開ける作業を実践。そのほかカラオケボックスの入り組んだ構造を生かし、目を隠した状態で、物音を頼りに倒れた隊員を捜索する訓練などを実施した。
解体工事は年度末まで
解体工事は6月10日からスタートし来年3月までに終了予定。解体を担当した(株)東京解体工事工業所の甲斐田邦久工事長は「民間でこのようなことはめったにない。施主さんの思いもあり協力した」と語る。
所有者のスズキ自販神奈川の田中社長は「安心・安全を実感できる『災害に強いまち・とつか』の実現には消防力の強化が必要。このことから地域貢献として所有建物を訓練資源として提供した」とコメント。解体後は、スズキ自販神奈川のショールームを開設する予定という。
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