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戸塚区・泉区版 公開:2024年2月22日 エリアトップへ

「在宅避難」できる備えを 國本戸塚区長に聞く

社会

公開:2024年2月22日

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本紙のインタビューに答える國本区長
本紙のインタビューに答える國本区長

 能登半島地震は多数の死傷者が出たほか、ライフラインが完全復旧していないなど、大きな爪痕を残している。大地震で横浜も被災する恐れがあることを踏まえ、國本直哉戸塚区長に地域防災拠点の役割、区民に備えてほしいことを聞いた。

 ――能登半島地震の被害の状況、どのような印象を持たれましたか。

「地震火災や家屋倒壊が発生した様子をニュースで見ました。また、ライフラインが停止したことで、大変な生活を送られている様子も聞いています。改めて大地震の脅威を認識するとともに、行政としてしっかりと備えていく必要があると、身が引き締まる思いです。

 被災者の皆様には、心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします」

 ――横浜などで大震災が発生した際、想定される区内の地域防災拠点の課題は。

 「震度5強以上の震災が起こった際に開設される地域防災拠点で避難生活を送るには、さまざなな困難が想定されます。実際に、能登半島地震でも、断水が続く中、お風呂に入れず、トイレが流せず、プライバシーもない状態など、劣悪な環境の避難所があったと聞いています。また、避難所で感染症が発生した場合、集団感染も危惧されます。

 戸塚区ではお住まいの安全が確保できるのであればご自宅で避難生活を送っていただくことが基本と考えており『お家で避難』を合言葉に各自備えを進めていただくようお願いします」

 ――非常時に地域防災拠点ではなく、在宅避難を呼びかける主意は。

 「『お家で避難』ができれば、慣れ親しんだ自宅でストレスフリーに過ごせます。また、プライバシーを確保できますし、ペットを飼っている方は、一緒に過ごすこともできます。平成30年の住宅・土地統計調査によると、戸塚区では約3/4の住宅が、新耐震基準で建てられているとの推計結果が出ており、多くの住宅で『お家で避難』生活を送ることができるベースは整っていると考えられます。

 『お家で避難』が地域防災拠点の避難者数を減らすこととなり、避難所の混雑緩和や集団感染の防止にもつながります」

 ――在宅避難に向けて、区民に取り組んで欲しい対策を具体的に。同時に区・市が取り組んでいる/取り組みたい施策は。

 「『お家で避難』をするためには【1】家具の転倒防止等のお家の中の安全確認【2】食料、トイレパック等の備蓄をしっかりとしていただくことが大切です。

 戸塚区では家の中の安全対策や備蓄についてチェックしながら作成できる『お家で避難』リーフレットを配布しています。区役所などで配布していますし、ホームページでも確認できますので、ぜひご活用を。

 また、今回の能登半島地震で課題となりました生活用水について横浜市では、井戸所有者の方が災害時に地域の方々へトイレや屋外の清掃などの『生活用水』として提供してくださる『災害応急用井戸』があり、戸塚区では219カ所あります。井戸の所在地は市ホームページに掲載されていますし、ご協力いただいている井戸にはプレートが掲出されています。

 横浜市では能登半島地震を受け、『地震防災対策強化パッケージ』として令和6年度予算案として計上。特に、震災時の火災による住宅被害の軽減を図るため、『感震ブレーカー』の設置補助対象を横浜市全域に拡大しています。

 また、高齢者や障害者などのみで構成される世帯を対象に、家具転倒防止器具の取付支援の件数を増加させました。家屋が倒壊しても生存空間を確保できる防災ベッド・耐震シェルターなどについて、設置費用の補助額を引き上げ、普及を促進します。ほかにも、狭小な防災備蓄庫を補完するための簡易倉庫の追加設置や、全地域防災拠点で液体ミルクの備蓄、主にスマートフォンをお持ちでない方に向けた支援として、発災時にテレビが消えていても電源が自動的に起動するプッシュ型の情報伝達手段の補助事業を新たに開始する予定です」

自助・共助がポイントへ

 ――区民意識調査では、区に防災の取り組み強化を求めている声が多かったです。しかし、実際に災害が発生した場合、自助・共助が鍵になると思います。

 「区民意識調査では、災害時における公助を求める声が多かったと認識しています。もちろん、公助は精いっぱい行っていきますが、大規模震災時は行政職員も被災する可能性が高く、どうしても行えることに限界があります。

 『お家で避難』リーフレットを活用していただきながら、自分自身と御家族の大切な命を守るために何をすべきか、シミュレーションしておくことをお勧めします。

 日頃からご近所同士のつながりを作っておくことも、いざという時に地域で助け合うために重要なことだと思います。

 区民の皆様が日ごろから防災・減災を自分事として捉えていただけるよう、さまざまなツールを活用して周知に努めてまいりますので、引き続きのご協力をお願いいたします」

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