高津消防署(藤原收署長)が10月13日、区内末長にある「そめや内科クリニック」の医師やスタッフに表彰状を贈呈した。その理由は、医療従事者ならではの迅速な判断と対処で行った「AEDによる心肺蘇生」。貴重な命を救う事につながった、その詳細は―?
まさに「阿吽の呼吸」
今年9月某日の夕暮れ時。末長の「そめや内科クリニック」の受付に通行人から「路上に人が倒れている」と通報が。現場に駆け付けたのは、同クリニックに勤務する医師の堀内一哉さんなどスタッフ5人。倒れていた50代の男性は心肺停止状態だったため、院内に備え付けてあったAEDによる電気ショックを行った。また看護師と共に心臓マッサージや人工呼吸を行うなど適切な対処が奏功し、救急隊を待たずして傷病者は意識を回復。その後入院はしたものの現在は社会復帰を果たしている。
今回、高津消防署が表彰状を贈る要因の一つとなったのが「処置の迅速さ・適切さ」。現場では堀内医師と染谷貴志院長が主にAED処置を、看護師の柳田陽子さん、篠崎恵さんが人工呼吸、さらに事務員の宗田富士さんは119番通報や連絡係を担当するといった見事なチーム連携を展開。堀内医師などは過去の病院勤務などの経験からAEDの取り扱いに慣れていたとは言うものの、クリニックのメンバー間ではこうした場面での明確な役割分担や取り決めはなく、いわば”阿吽の呼吸”。今年開業15年目を迎える「そめや内科クリニック」は当時からAEDを備えており、これにスタッフが日々培ってきた医療従事者としての矜持が加わり、尊い命を救う結果となった。
高津消防署の藤原署長は「心肺停止の傷病者への早期の救命措置は、予後に効果があります」と説明。「今回(堀内医師などの)適切で迅速な判断によりもたらされた功績は多大」と賛辞を惜しまない。本紙電話取材に応じた堀内さんは「医療従事者として当たり前の事です」と謙遜するが、見方によっては面目躍如といった感もあり「とりあえず皆でホッとしています」という声からは、喜びが感じられた。
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