川崎市が市内駅周辺の屋外指定喫煙場所の一部で改修を検討していることがわかった。14カ所のうち、厚生労働省が求める留意事項を満たしていない10カ所が対象。受動喫煙に関する苦情が増えていることから、対応を模索していく。
厚労省は、屋外の喫煙場所設置に関する目安として「人通りの多い方向に、たばこの煙が容易に漏れ出ないようにする」ことを求めている。
パーテーション型の場合、「高さ2〜3メートルの壁」「出入り口に方向転換のためのクランクがあること」などを具体例として挙げる。しかし、市内に設置された14カ所の屋外指定喫煙場所で、この目安を満たしているのは4カ所(武蔵小杉駅前、川崎駅前2カ所、武蔵溝ノ口駅前)。そのほかの10カ所は、クランクがなかったり、天井や天井の勾配がないなど留意事項を満たしていない。
月2、3件の苦情
実際、新百合ヶ丘駅前や川崎駅東口の指定喫煙場所は、バスロータリー、タクシー乗り場に隣接しており、「待っている際の煙が気になる」などの声が利用者から挙がる。また市や区には、「パーテーションの外で喫煙している人がいる」などを含めた苦情が月に2〜3件あるほか、市議会にも陳情が寄せられているという。
難しい「一斉改修」
こうした現状を受けて市は、パーテーションの提供元である「JT」(日本たばこ産業(株))と協議した上で、改修について模索。特に苦情が増えている新百合ヶ丘駅前を優先していく意向で、市担当者は「すべての指定喫煙場所を一斉に改修するのは難しい。パーテーションの形状、場所、広さなども含めて今後検討していきたい」と話している。
一方で、市担当者は「喫煙者のためにも、喫煙場所をなくすことは考えていない」と方向性を語る。
市は、2006年に「川崎市路上喫煙の防止に関する条例」を施行。人通りの多い主要駅周辺の7地区を「路上喫煙防止重点区域」に指定し、区域内では指定喫煙場所以外での喫煙を禁止。14カ所を指定喫煙場所として設けている。
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