下作延小 文化祭を初開催 地域の専門家44人が特別授業
地元の歴史、伝統文化、自然環境などを専門家から学ぶ特別授業を通じ、地域への子どもたちの理解を深めようと、下作延小学校(橋本晃一校長)は19日、第一回文化祭を開いた。1983年の創立以降初めての実施。日ごろの学習成果の発表に加え、華道、手話、囲碁、昆虫の生態など多様な分野の専門家を講師に招いたワークショップや、西高津中学校吹奏楽部、県立多摩高校合唱部、PTAらによるコンサートも開催し、集まった大勢の保護者が見守る中、子どもたちは貴重な文化体験を楽しんだ。
来年の創立30周年に向け、地域全体での児童教育への取り組みを象徴する行事を作りたいと、橋本校長の提案で実現。NPO法人かわさき自然調査団や、高津消防団作延分団などで活躍する専門家44人が集まり、計17種の講座を開催した。授業は1回50分で2回実施。児童は自分の関心の高い講座に出席し、それぞれの「先生」の言葉に真剣に耳を傾けていた。
地域の歴史に新たな発見
4年1組の教室では「多摩川、平瀬川、二ヶ領用水ってどんなところ?」と題した講座を開催。多摩川エコミュージアム(多摩区)の理事・齋藤光正さん(75)が講師を務め、河川の歴史、名称の由来などをクイズ形式で解説した。
1611年の完成から今年で400年目の二ヶ領用水について齋藤さんは「昔は飲料水にするほどきれいだった。川崎の財産」と目を細める。多摩川が、高度成長期に流域の都市化による汚水の流入で汚染された歴史の解説では「昔は魚が住めない川と呼ばれた。川は一度汚すと元に戻すのが難しい。人間が直さなければいけない」と環境保護の大切さを強調した。授業後、児童らは「今年の春は多摩川にアユが220万匹も上ってきたと聞いてすごいと思った」と話していた。
このほか、各学年の児童がそれぞれのテーマで続けてきた学習の成果を発表した。川崎出身の岡本太郎さんの作品紹介や、今年度に製作したビオトープに息づく生物についてなど、内容は多岐に渡った。
橋本校長は「地域の皆で子どもたちを育んでいくという気持ちが、今日一日で一層深まったと思う。これから毎年文化祭を開催していきたい」と意欲を見せた。
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4月26日