民間への売却が計画されている通称「かすみ堤」(久地2丁目)の保全等を求める請願が5月30日、市議会まちづくり委員会で審査され、全会一致で趣旨採択された。「かすみ堤」保全に関する請願は今回で2回目。
洪水対策の堤防としてつくられた「かすみ堤」は、春には桜が咲き誇り、町会の花見や子ども会の行事など地域住民の交流の場として重要な場所となっている。土地所有者は国で、国土交通省の京浜河川事務所が管理、土地の一部を資材置き場として使用している。
07年に同事務所から「民間に払い下げたい」との通告が地元町会にあり、住民が保存活動を展開。同年、市議会に対して川崎市が土地を買収し公園として整備するように求める請願を提出し、採択された。
この保存運動から5年が経過したが、8億円ともいわれる買収費用が財政的にも厳しく、事態は進展していない。民間への売却を保留している京浜河川事務所から地元住民に対して「もう待てない」との勧告もあったという。危機感を募らせた住民らは2回目の請願を市議会に提出していた。 議会の判断は、買取だけでなく、借用も含めて様々な保全方法の検討を求める趣旨採択。久地第二町会の山本武彦会長は「今回の結果を力にして、今後もかすみ堤を残す運動を続けていきたい。保存するという川崎市の意志がはっきりした意義は大きい。近隣の町会の皆様の協力もあったので、感謝したい」と語った。
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