インタビューに応える原組合長
川崎らしい都市農業の形をめざし様々な取組みを進める『ＪＡセレサ川崎』。今年創立20周年を迎えるにあたり、今後の事業や抱負について、代表理事組合長の原修一氏に話を聞いた。
―組合長に就任してもうすぐ１年ですが、振り返っていかがですか
原「昨年は、協同組合がユネスコの〈無形文化遺産〉に登録され、我々ＪＡとしてもその存在意義や重要性を改めて感じました。その中で、高津区久末地区で行われてきた独自の農産物品評会が１００回を数え、内閣総理大臣感謝状をはじめ、様々な表彰を頂きました。また、今年99回目となるＪＡ花卉部馬絹支部の花の供養祭、自然災害に負けず宮前メロンや多摩川梨、パンジー、はなももを育てる栽培農家など市内農家の技術力の高さ、伝統、魅力を再認識しました。今後も、都市農業の更なる発展に努めていきたいと思います」
―ＪＡセレサ川崎となり今年で20周年となります。抱負をお聞かせ下さい
「１９９７年に、市内の４つの農協が合併し20年という節目の年。その記念事業の一つとして〈田んぼアート〉を検討しています。色の違う稲を植えて絵を完成させる催しで、子どもたちにも楽しく農業に触れてもらいたいですね。９月には感謝の集い、11月に農業まつりを開催し、記念の年を盛り上げていきます」
―今年度、重点的に取り組みたいことは
「市内産農産物〈かわさきそだち〉のブランドを今まで以上に高めていくとともに、中学校給食の食材にも多く供給していけるよう生産者と協力していきたい。それには、安全・安心な農産物を消費者に届けるために農業生産工程管理（ＧＡＰ）の認証を進めなければならない。認証取得は容易ではありませんが、まず生産者の栽培履歴管理をしっかりと行い、その延長として行政とも連携しながら独自のＧＡＰ認証制度を普及させ、農業者の所得増大や農業生産の拡大に繋げていきたいと思います」
―これからの都市農業の在り方とは
「ＧＡＰ認証の普及と同時に、少量・多品目栽培を行う都市農業においては、産官学商との連携も必要です。昨年は、セレサアグリコ（株）という子会社を設立し、なかなか休日が取れない農家等の代行業務を請負いました。この４月からは市民に農園を体験してもらう〈あぐりっこ農園〉を立ち上げる予定です。道具や肥料などは全てこちらで用意し、市民の方には手ぶらで来園してもらい、プロが農業の楽しさを教えるもので、ご家族や仲間同士で参加してもらいたいですね」
―市民にメッセージを
「セレサ川崎はこれまで地域とともに歩んできて、今後も地域と連携した都市農業を振興していきたいと考えています。また、10年継続してきた小学１年生へのランドセルカバーの贈呈や「緑のカーテン」（ゴーヤ苗の配布）など、地域貢献にも積極的に取り組みながら、市民に身近なＪＡセレサ川崎で在り続けたいと思います」
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