つつじ寺として知られる神木山(しぼくさん)等覚院(中島有淳住職)=宮前区=の本尊である不動明王像を年に一度、信仰する地域住民で持ち回る風習がある。4月から始まり、5月24日には梶ヶ谷に到着した。
近隣地域で「神木のお不動さん」として親しまれる同寺。開山の歴史は古く、東京や横浜からの講中でにぎわっていたという。「その講中らが縁起を担いで、お不動さんの巡行を始めたのかもしれない」と、同寺の中島磯乃さん。不動明王の巡行先が記された勧進帳には「文久2(1862)年」や、「宮益坂」(東京都渋谷区)、「鶴見」(横浜市)などの地名もあり、古くから広範囲を巡っていた記録が残っている。昔は1年中巡っていたとされるが、持ち回り先も減り、現在はこの時期のみ行われている。
「またお会いできて感謝」
24日、梶ヶ谷の亀ヶ谷栄一さん宅に到着した不動明王像は、妻の悦子さんの手で迎え入れられた。悦子さんは花を供え線香を上げると「1年ぶりです。またお会いすることができて本当に感謝」と手を合わせた。昔は食事を用意し、送り込みに来た人の接待もしていたというが、今は玄関先での受け渡しのみに。嫁いで50年以上になり、親戚から「まだ続けているの」と驚かれることもあったというが「親の代から手伝ってきたので、今後もつなげていけたら」と話す。
不動明王像は28日に等覚院に戻り、同寺で送り込みの「不動明王護摩供修行」が行われる。
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