川崎市子ども夢パーク・フリースペースえんを運営する認定NPO法人フリースペースたまりば(西野博之理事長)は1月14日、30周年記念シンポジウムをすくらむ21で開催した。会場とオンラインで300人が参加する中、3人のゲストを招き「誰ひとり取り残さない〜『弱さ』でつながる社会へ」をテーマに実施した。
第1部では「弱さとは何か」についてゲストが講演した。東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎氏はリモートで出演。脳性麻痺で幼少時に母親と壮絶なリハビリを行った自身の経験に触れ、障害を個人ではなく社会の問題として捉える「社会モデル」の考え方を紹介した。続いて登壇したのは、精神障害を持つ人の活動拠点「浦河べてるの家」理事長の向谷地生良氏。困りごとを抱える当事者が自身の課題を研究する「当事者研究」を利用者とともに続けてきたことを説明し「弱さは一つの可能性」との考えを示した。コピーライターの澤田智洋氏は、全盲の子の誕生を契機に福祉分野に活動の場を広げるように。自身を「スポーツ弱者」として設立した「世界ゆるスポーツ協会」を紹介し、「弱さは社会の伸びしろである」と結んだ。
第2部では3人と西野理事長の意見交換を実施。10 月から施行される労働者協同組合法に触れ、生きづらさを抱えた人が対等な労働者として働くことができるようになるという可能性も示された。西野理事長は「世の中に誰ひとりムダな存在はいない。『弱さ』に着目すると繋がりが生み出されることに気づかされた刺激的な会だった」と総括した。
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