川崎市は、2021年度の市内の児童虐待相談・通告件数を先月末に発表。5832件で過去最多だった。16年度の2875件と比較すると、5年で2倍以上に。一方、前年度比23・3%増だった20年度(5557件)に比べ、21年度は4・9%増と増加率は低下した。
市は市内3カ所の児童相談所と7区役所で昨年度受けた相談・通告件数を集計。種類別では、心理的虐待が約半数の3011件(前年度比133件増)、次いでネグレクトが1719件(135件増)、身体的虐待が1066件(11件増)。性的虐待は36件で、前年度の40件から減少した。
年齢別では、就学前までの乳幼児が3232件(135件増)で半数以上。主な虐待者別の構成比は実母が56・7%、実父が39・1%だった。区別では川崎区が最多の1243件で、高津区は3番目に多いの902件(前年度比199件増)だった。
児童相談所で受けた相談・通告は4030件で、前年度から297件増加。一方、区役所は1802件で、前年度の1824件から22件減少した。市は20年度、新型コロナの影響で困難を抱えた家庭の状況把握を行うため、「所在不明児童の調査」の対象を広げ、区役所が安全確認を強化していた。市担当者は「21年度は直接的な取り組みはなかったが、関係機関や地域の見守り体制が浸透している中、全体として通告が増えているのでは」と話す。
子ども本人118件
相談・通告件数は、その後の調査で虐待の事実が認められなかった場合や、対象児童を確認できなかったものも含む。市民や学校等からの連絡のほか、最多の4分の1を占めるのが警察からの通告。21年度は市全体で1428件(30件増)に上った。
子ども本人からの通告も増加傾向がみられ、昨年度は118件(47件増)。市は20年7月、県や横浜市らとLINE相談を開始しており、市担当者は「子どもの相談が増えた要因の一つ」と分析する。市は今年度、児童虐待の予防事業を強化していくという。
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