市政報告 過酷な勤務の救急隊員にイート&ドリンクタイムを! 川崎市議会議員 松原しげふみ
昨年12月29日午前1時50分頃、東京消防庁の救急車が中央分離帯に衝突し、救急隊3人全員が軽いけがをしたとの報道がありました。報道内容を見ると、車内のドライブレコーダーに写っていたのは、運転席と助手席の2人の隊員の居眠りと、次の出動に備えて車内で眠っている別の隊員の姿でありました。当該3人の救急隊員はコロナの第8波による救急活動に従事し、前日の朝から約17時間休みなく7件の救急搬送を担当しており、激務から生じた「起こるべくして起こった」過酷な勤務実態の結果であるとの報道でありました。
さて、このような状況は東京都に限った事なのでありましょうか。否、実は同じような案件は本市に於いても発生しております。昨年7月23日午前2時過ぎ、高津区内の女性から救急要請があり、指令センターから高津消防署に出動の指示がありましたが、当直勤務4人のうち仮眠室に居た3人の救急隊員は起きず、起こすべき担当の署員は居眠りをしていたため、通常2〜3分で出動するものが約15分遅れの出動になってしまったという案件であります。幸いにも搬送された患者には影響は無かったとの事であります。この件に関し消防局は「あってはならない事であり、大変申し訳ありません。新型コロナで出動が増え、疲れていたのかもしれないが、それは全く言い訳にはなりません。再発防止を徹底したい」としております。救急隊員がここまで追い込まれているエビデンスを消防局発表の令和4年の救急出場件数から窺い知る事ができます。救急出場件数は過去最多の8万4776件で、令和3年に比べると1万4893件、21・3%の増加となっており、1日の平均出場件数は約232件で約6分12秒に1件の救急出場となっております。中原区管内の件数も図表のように、年々増加傾向となっております。消防局としても手をこまねいていた訳ではなく、非常用の救急車も出場させたり、消防隊員を救急に動員したりしての対応を行っておりますが、搬送が追いつかなくなる事も想定されております。ましてや救急隊員については十分な休憩も取れず、トイレに行く時間も厳しく、特に食事に関しては定時に食べる事は極めて困難な状況となっております。疲弊している中でも市民の生命を守る隊員やエッセンシャルワーカーの皆様には頭が下がる思いであります。
このような環境を改善するための力添えとして消防局では病院の了承を得た上で、病院の売店で飲食物を購入できるようにしましたが、救急隊員が落ち着いて食事を取ることができない状況が続いておりましたので、昨年12月からはコンビニ大手4社(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート・ミニストップ)の協力を得、患者を搬送した後、飲食や水分補給、トイレを利用するために救急車でコンビニに立ち寄ることができるようになりました。コンビニ利用の際には他の利用者に迷惑をかけぬよう感染予防対策をした上で駐車位置にも配慮をし、来店中は救急車のダッシュボードに「救急隊員イート&ドリンクタイム」=写真=と書かれたプレートを掲示いたしますので、市民の皆様には是非ともご理解を賜り、引き続き救急車の適正利用にご協力いただきますようお願い致します。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
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4月26日
4月19日