中原小学校や今井小学校の教員として勤めていた書家の笠原秋水さん(86・麻生区在住)が主宰する「秋水書道会」の秋水会書展がミューザ川崎(幸区)で開催された。10月25日から29日までの期間中、多くの人が会場を訪れ、会員が手掛けた作品を鑑賞した。
「自分らしさを言葉と書で表現する」をモットーに、誰にでも読めて理解できる書作活動に取り組んでいる同会。毎年開催されている同展は、今年で記念すべき30回目を迎えた。節目を記念して寄せられた福田紀彦川崎市長の作品のほか、笠原さんや会員34人の「のぞみ」をテーマにした小作品などが展示された。
初日には、笠原さんによるギャラリートークも企画され、童謡『里の秋』の詩を書いた自身の作品に込められた思いを伝えた。斎藤信夫が作詞し、海沼實が作曲した『里の秋』が作られたエピソードや、NHKで放送されたときの話、笠原さんの幼少期に父親が戦死し生田村(当時)で過ごした際の境遇、心境がこの詩と同じだったことなどの思いを吐露。「詩や歌など素晴らしいものは、それが虚像でも真実のように人を惹きつける。それが名作」「表に出ていない裏の話を知ることも大切」などと、会場を訪れた約80人に語り掛けた。笠原さんは「多くの人に来てもらえた。言葉によって自分らしさを表現することがこれからは大事。今後も文字と言葉で人と人をつなげていきたい」と話した。
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