西條氏直筆校歌を修復 「より大切にする気持ちを」
詩人・作詞家として有名な西條八十氏が直筆した新城小学校の校歌の書かれた便箋がこのほど修復され、学校に帰ってきた。
この便箋は、1958年に新城小学校の創立5周年を記念して、西條氏が作詞した校歌を水性のインクで書いて同校に贈ったもの。1990年前後から退色が進み歌詞が読み取れなくなっていた。そして昨年60周年を迎えた同校が「市内では唯一の財産。何とかしたい」と修復を計画。同校のPTA歴代運営委員で結成される「新成会(百武敏和会長)」が中心となり、PTAや川崎巽ライオンズクラブなどと協力し寄付などで修復費用を集め、技術力に長ける銀座の画廊で修復作業が行われた。
修復は傷みと、文字の退色が進み過ぎていたため苦戦したものの、補強作業や洗浄、文字の複色など丁寧に行われ、文字の色は少し薄いものの1〜2メートルの距離であればしっかりと読み取れるまでになった。また修復された便箋の文字は、日光を避けて保存すれば、半永久的に消えることもなくなったという。川崎等校長は「児童らは西條さんを知らないが、『心も強くからだも強い』というフレーズはみんな知っている。修復された校歌を見て、より大切にしようと思う気持ちが芽生えてくれたら嬉しい」と話している。
さらに今回、かわさきマイスターに選ばれている印刷技能士の流石栄基さんが校歌のレプリカを制作。便箋の色はそのままに、文字の色を制作当初のようにはっきりと複色させた。なお校歌は直筆のものは校長室に、レプリカは正門玄関前に展示されている。
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5月10日