神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2020年10月23日 エリアトップへ

頑固ながんに挑み続ける 苅宿在住 出木谷潤子さん

社会

公開:2020年10月23日

  • X
  • LINE
  • hatena

 「カプセルの抗がん剤を毎朝6時に飲んで2年半がたちます。がんは小さくも大きくもならず小康状態。副作用を緩和させるための薬を8種類飲んでいます」と話すのは、苅宿に暮らす出木谷潤子さん(58)。39歳で左腎臓にがんが見つかってから19年。初めての全摘出手術から8年後に転移が見つかり、その後16回も手術を繰り返した。現在は腎臓、膵臓、両副腎に腎細胞がんがあると診断されながらも、手術できる場所にないため、武蔵小杉の料理教室でパン講師として働きながら、初めての抗がん剤治療に挑んでいる。

 出木谷さんが長い闘病生活の中で心掛けているのは、日々くよくよ悩まないこと。「がんから逃れられないからこそ、ネガティブな感情を引きずらないことが大事。いつも笑っているのが体にも、心にも良いことだから」。治療も「前進あるのみ」をモットーに、自粛期間中だった今年4月には「コロナを怖がってがんが悪化しても困る」と、検査と診察に足を運んだ。「怖がっていたら転移は見つけられない。がんは早期発見が本当に大事だから」と検診の重要性も訴える。

 出木谷さんは、治療方法や手術の決断は全て自分で決める。人を頼りすぎない方がいいというのが持論だ。「家族がお見舞いに来やすいからと近くの病院に入院する人もいるけど、私は遠くても自分のために最善の治療をしてくれる病院を探すべきだと思う」と言い切る。自身が罹患した際、シングルマザー同然で子育て中だったため誰かに頼ることは難しかった。「泣き言や弱音は言ってられなかった。お陰様で強くなりました」。

 がんになっても楽しく生きることを伝えたいと、2年半前に自伝を出版。闘病生活を赤裸々に綴った。きっかけは、闘病中に読んだ関連本が難しかったから。「手術3、4回の人が本出してて。自分は手術の回数だったら負けてないぞ」とお茶目に笑う。

 これからも希望を捨てずに「楽しいこと」に挑戦しながら、頑固ながんに笑顔で挑み続ける。

中原区版のローカルニュース最新6

等々力で2つの催し

等々力で2つの催し

花と緑、畜産まつり

5月17日

「第4期」の5年で半減

ホームレスの支援計画 川崎市

「第4期」の5年で半減

5月17日

赤ちゃんロボ寄贈

赤ちゃんロボ寄贈

区内企業が保育所などに

5月17日

「川崎の名で初代王者へ」

NECレッドロケッツ

「川崎の名で初代王者へ」

市長に来季抱負語る

5月17日

多文化共生を考える

国際交流センター

多文化共生を考える

7月6日 講演と演奏会

5月17日

大開帳奉修始まる

大開帳奉修始まる

川崎大師平間寺で 31日まで

5月17日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月17日0:00更新

  • 5月10日0:00更新

  • 5月3日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook