市政レポートNo.128 井田病院の光熱費未請求問題問われる議会の良心と存在意義 みらい川崎市議会議員団 おしもとよしじ
先の決算議会では、2012年5月から5年半、井田病院内のレストラン事業者に対する総額1145万円の光熱費が徴収されていなかった不正会計事案が我が会派の調査で判明。その後に続く不正行為も次々と明らかとなり、NHKニュースを初め、主要各紙やこの紙面上でも大きく取り上げられた所です。この不祥事は、病院局が17年10月に未請求の実態を把握しながらも対外的な公表が一切行われず、行政幹部を含めて組織ぐるみの隠蔽が続けられて来ました。その内容も飽き足らず、この多額の未請求については、合意文書を交わさず口約束により事業者側へ事務執行上不適切な分割払いにする事や現年度と過年度の光熱水費を同時に支払う事が事業者への負担となるため賃料免除も提案し、便宜供与を図った談合疑惑の契約に加え、その際に必要となった決算文書等の公文書の日付と内容を事業者に依頼して後日作成するという公文書改ざんも発覚しました。
議場では、副市長から謝罪と検証作業を行う事や決算に意見を付する役割の監査委員からも「不適切な財務事務処理」と答弁され、議案採決にあたっては、我が会派と無所属議員のうち3名が不祥事の発覚した病院事業会計を「不認定」としましたが、結果として自民や公明、共産などの他主要会派の多数により「認定」されました。
騙された議会隠蔽の上塗り
この採決が行われた議会閉会日からわずか3日後、記者会見で市は、同病院内の喫茶事業への上下水道料金にも未請求があったと公表。前述の我が会派の調査では、他業者との契約も確認するよう指示し、「問題なかった」と回答していたにも係らず、議会開会中に未請求を把握しており、この新たな不祥事の隠蔽上塗りと公表引き延ばしは、本来ならば決算認定の採決態度にも影響を与えかねない由々しき事態で「認定した議会を欺いた」との誹りを免れません。この事案においても検証作業と総括、責任の所在について報告が待たれます。議会議員の役割は、市民の血税や市の事務執行が適正で適切に行われているかをチェックする事です。今まさに、議会の良心と存在意義が問われていると言っても過言ではありません。
市議・押本吉司
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4月26日
4月19日