市政報告 資源物等の持ち去り対策の強化について 川崎市議会議員 松原しげふみ
川崎市では本年4月に施行された条例に基づき、指定された場所からの資源物等の持ち去りを禁止しており、これまでも市政だよりやホームページによる周知や啓発を実施し、併せて職員による巡回指導も行ってまいりました。しかし、依然として持ち去り行為が横行している状況が見受けられます。本来ならば市の行政財産となるべきものです。(平成28年から令和2年までの5年間では、推計持ち出し量年平均約220・8トン、推計被害額年平均約1680万円)。このような状況に鑑み、私は本年6月定例会に於いて、この件に関し一般質問を行いましたので、要約しご報告いたします。
資源物の持ち去りに対するパトロールについて、各区により実施状況が異なる点(下表)について確認したところ、「各区最低2回以上パトロールした上で、苦情や持ち去りが多発している集積所を選定し、時間帯や曜日など実施計画を立てパトロールを行ったため区ごとで実施日数に差がでた」とのことです。発見回数や指導回数も差異が生じておりますが、市は「指導回数は、持ち去り行為を現認し行為者に口頭注意など行政指導を実施した回数。発見回数は、資源物等を積載し地域を不自然に巡回する車両を発見した場合や、車両が逃走し行政指導に至らなかった場合などもあるため差異が生じた」との回答でした。
同一人物や同一車両、それに対し指導回数をどのように確認しているかについては、「同一人物には行政指導を複数回実施し、悪質な場合には禁止命令書の交付や罰則(20万円以下の罰金)を適用することを想定。行政指導の際に、氏名、住所、行為者や車両等の写真を撮影し記録し、同一人物に再度の行政指導を行った場合は、この記録を確認し特定した上で適切に対応する」とのことです。
写真撮影は「条例に違反した行為を記録するため、行政手続き上必要な行為であるとし、神奈川県警にも確認した上で実施」しているそうです。
しかしながら、生活環境事業所を中心とした早朝パトロール、ポスターによる注意喚起、市民にも持ち去りを発見した場合は同事業所への連絡を求めていますが、依然持ち去り行為が散見されます。資源物は売り手がいれば買い手もいることから、持ち去られた資源物の買取業者に対し、どのような協力を求めてきたかを市に伺ったところ、「売却先を聞き出せず、実態把握が難しく、具体的に買取業者への協力要請は行っていない。また、持ち込まれる資源物が市内の集積所から持ち去られたものであるかの判断が難しい中で、民間の事業活動に対し、何らかの働きかけを行うのは慎重な対応が必要」とのことでした。
それであれば、持ち去られた資源物を売却できない環境を作るため買取業者との連携が必要であります。市は条例に基づき市民からの情報などを踏まえた効果的な啓発物の設置、パトロールの実施、持ち去り行為者への指導を行うことで、持ち去り行為の実態を把握し、まずは持ち去りを生じさせない取り組みを進めることが求められます。買取業者との連携は、「他の自治体でも実効性の面で課題がある」ようですが、パトロールの実施結果や他都市の動向を踏まえ、有効な取組を検討していくことが必要です。
今後につきましても、持ち去りを行うホームレスの方に対する自立支援を強化するとともに、資源物の持ち去り行為の撲滅に向け、持ち去り行為者に対しての指導の強化、並びに持ち去り物を売却できない環境及び持ち去りにくい環境づくりの3点について相乗効果を高め、実効性のある条例となるよう努めてまいります。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
|
|
|
|
|
|
4月26日
4月19日