木目込(きめこみ)人形づくりを教える 福島 宏子さん 下鶴間在住 68歳
和を通じ、輪を広げ
○…桐の粉をのりで固めた本体に衣服のシワや模様のように筋彫りを入れ、そこに布を押し込んで衣装を着ているように仕立てあげる「木目込人形」。35年以上にわたる講師歴の集大成として、2月9日と10日にカルチャーつるまで展示会を開く。自宅の教室では毎年展示をしているものの、外での展示は初めてに等しいという。今回は季節に合わせておひな様などを中心にする予定。「木目込人形の魅力を、多くの人に知ってもらいたい」と微笑む。
○…生まれは大阪。明治生まれの母親の影響で、幼いころからお茶やお琴、和裁などを学ぶ。「物を作ることが大好きだった」と言うように、高校時代には押絵羽子板制作にのめり込んだ。結婚を機に大和市に移り住むと、偶然出会った木目込人形に一目ぼれ。すぐさま教室に通い、教授免許を取得。子育て、パートに奔走しつつ、自宅で教室を開講し、生徒さんとの交流が生きがいに。今、通っている人は皆、15年以上のお付き合い。「作品づくりもそうだけど、おしゃべりが楽しくて。人との輪が広がるのが喜び」
○…息子さんは結婚して独立。現在はご主人と2人暮らし。とにかく和物が好きで、大和の骨董市はもちろん、世田谷のぼろ市などにもひんぱんに足を運んでいる。自宅のリフォームも和風を中心にするため、自分が主導で進めたとか。ご主人には「居間に俺の物が無い」と嘆かれているそうだ。ただ、山歩きやウォーキングは共通の趣味。「たまには一緒にいてあげないとね」と笑う。
○…とにかく好奇心が旺盛で、新しいものには挑戦したくなってしまう。今も教室に通い、編み物や和服リフォーム、ちりめん細工を学んでいる最中だ。今後は新たな生徒の募集を控え、自分の時間を少しずつ増やしていくことが目標。「やりたいことがあり過ぎて困っちゃう。でも気持ちは止められないのよね」と微笑んだ。
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