芸道50年を記念した発表会を3月18日にシリウスで行う花泉流の家元 花泉 幸(本名 青木 幸江)さん 市内大和南在住
舞が花添う半世紀
○…発表会を間近に控え「ここまで来たら早く終わりたい」と打ち明けた。舞台前の緊張感は、芸道50年を迎えても変わらない。これまで生涯学習センターを満席にしていた発表会は舞台をシリウスに移して初の開催。「新しい場所でできる嬉しさと心配が交錯する」とこちらも本音がこぼれた。
○…川崎の溝の口生まれ。小学2年の時に大和へ。南大和小学校最後の卒業生だ。日舞を踊る同級生に「一緒に」と誘われたのが6年生の時。両親に打ち明けると、厳しかった父が「芸は身を助ける」と応援してくれた。中学で藤間流、高校に入って花柳流の師匠のもとで稽古、卒業後は1年間の内弟子も経験し、二十歳で名取になるとすぐに弟子がついた。
○…花柳流から1文字、大和の「泉の森」から1文字を取り、2000年に新日本舞踊「花泉流」を立ち上げ、家元となった。「自分が振付を考え、創作し、表現する」ことに不安もあったが、弟子が踊る姿を見て、少しずつ自信となった。振付創作のヒントは色々なところにある。サスペンスドラマなどで舞妓さんが出るとその所作などに見入ってしまう。横浜の大衆演劇では、その衣装や男性が演じる女形の姿に刺激を受ける。50年の芸歴を重ねても日々勉強の毎日だ。弟子を迎えての稽古は朝から晩までぶっ通し。さらに出稽古や発表会などもあり、ハードワークだ。ただ「嫌でも首を振ったり、片足で立ったりするのは、健康の源ですよ」と事も無げに笑った。
○…今回は小学1年生と5歳の孫姉弟の初舞台でもある。実の息子さんは2人とも「踊りを教えるお母さんは怖い」と敬遠されただけに「自分から興味を持ってくれた」と目を細めた。いよいよ明日に迫った記念の発表会。「舞台は魔物」と気を引き締める。どんな時でも平常心を忘れず、「行ってくるから。無事に終わるように見守って」と踊りの世界に導いてくれた両親に祈って舞台に立つ。
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