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徒然想 連載274 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄

掲載号:2021年1月1日号

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 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

 今月は、人の小利を貪(むさぼ)れば、大利を得ざるがごとし。小利に貪着せざれば、大利に成(かなら)ず成る、です。

 出典は、江戸、東嶺円慈(とうれいえんじ)『快馬鞭(かいばべん)』です。

 意は、世間で、目先の小さな利益ばかりを貪っていると、大きな利益を逃してしまうのに似ている。小さな利益に執着せず貪ることをしなければ、必ず大きな利益を手にすることができる、ということです。この『快馬鞭』は、まさに快馬への一鞭のこと、初学のひとを激励する手引書です。私たちは、どんな商売、仕事をする時にも、初めは必ず誰でもその道を極めたいと思う。これを大利と言います。商人は富を、役者は芸を、学者は真理を極めたいと大志を持つ。大利の為に、日夜努力し、工夫し、研鑽を積む。その結果として得られた時々の所得が小利です。しかし、大利を得んとの初心も、目先の利益にとらわれている間に忘れてしまう。怠惰の心が働き、適当なところで妥協して納得してしまうのが私たちの日常です。「俺の能力はこんなものだ、適当なところで手を打とう」など、自分に都合よく理屈を組み立ててしまう。これでは大利に至れるはずがないと、師は強く教しています。

桃蹊庵主 合掌
 

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