2400Kmにおよぶ「奥の細道」を2年がかりで踏破した 上田 隆一さん 高座渋谷内科外科クリニック院長 54歳
憧れを前進する力に
○…元禄時代の俳人・松尾芭蕉が歩いたとされる「奥の細道」。東京から松島、平泉などを通って日本海沿いを南下し、岐阜県大垣に至る2400Kmの行程を、2年かけて踏破した。毎週の休みと年末年始などの連休をフル活用。歩いては戻り、またその地点から歩いては戻りを36回繰り返したという。すでに江戸の五街道、四国八十八ヶ所巡礼、熊野街道なども踏破済み。「歩いた距離を合わせると約七千Km。日本からカナダまでの距離とほぼ同じです」と嬉しそうに笑う。
○…海外の医療ドラマ『ベン・ケーシー』に憧れ、小学生で将来の夢を医者に定めた。夢をかなえた後は、「ドクトルマンボウになりたい」と自ら水産庁に電話をかけて売り込み、40歳で船医となった。5年ほどの海上生活。その反動からか、「地上にいると歩きたくなる衝動にかられた」という。そんな時、東海道踏破を目指していた友人から誘われた。「知らない土地で色々な人、景色と出会うと五感が刺激される。最高のリフレッシュになった」。気付けば、歩くことがライフワークになっていた。
○…毎週土曜日には津軽三味線を習い、大学時代に始めた謡曲は免許皆伝。サックスも自称「かなりの腕前」だそうだ。ダイビング経験も200回以上、スキーも「昔は3人の子どもを抱えながら滑降して、周囲から喝采を浴びたよ」と嬉しそうに微笑む。さらに海と雲しか見えなかった船医時代に興味を持ち、気象予報士の資格も取得した。「誰とでも話題には事欠かない。それが自慢かな」
○…高座渋谷に医院を開業して早10年。「自分が元気でいると、患者さんも元気になってくれる」、それが持論だ。これからの夢は南極大陸に降り立つこと。船医時代に世界を飛び回ったおかげで、行っていない唯一の大陸が南極だという。「無理だなんて思ったらつまらない。夢は持ち続けていないとね」。目を輝かせて微笑んだ。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>