大島紬に魅せられ、染織家としてファッションで“奄美”を発信している 橋本 真智子さん 西鶴間在住
好きなことに夢中
○…奄美大島紬の「泥染」「琉球藍染め」に魅了され、8年前から染織家として歩んでいる。「南の美しい小さな島で受け継がれている日本の宝布を無くしてはいけない」。この想いから、ファッション界で培ってきた経験を活かし、大島紬の染色方法で手がけた洋服や小物の個展を東京やパリなどで開く。「奄美の人情や自然、食…。1300年継承されてきた紬が育まれた土地にも惚れ込んでいます」。
〇…富山県魚津市生まれ。「学生時代は帰宅部でした」と笑顔に。洋裁をする母親を見て育ち、洋服への関心がいつしか芽生えてきたという。1974年に世界的に活躍していた高田賢三に憧れてパリへ。服飾の専門学校、エス・モード在学中に高田氏のKENZO社に入社する。スタッフとしてパリで暮らし、1980年に帰国を。KENZO、MICHIKOなどを扱う会社でのプレス担当や文化出版局のスタイリストを経て、オリジナルブランドを立ち上げた。
〇…「若い時は伝統的なものに関心がなかった。成人式の着物にも無頓着だったほど」と振り返る。日本に帰り、「着てみたい」と思う着物に出会ってからそれが一転。着物の産地を巡るなかで奄美に降り立った。「藍の色が言いようのないほど素敵だった」。大島紬は製造工程が30ほどあるという。高齢化や後継者不足などで課題も多い。「民芸ではなく、ファッションでその魅力を伝えられれば多くの人に興味を持ってもらえるのでは」と目が輝く。隔月で奄美へ通い、絹や麻、デニム等の糸や生地を染める。
〇…家族で25年ほど前に都内から大和に引っ越す。息子も独立し、「大好きなこと」に邁進している。和裁を習い始めて応募した、2012年ユザワヤ創作大賞では全国約4千点からグランプリの栄冠にも輝いた。料理好きで、月一度は島料理などでもてなすホームパーティも。今は、6月に渋谷で開く個展に向けて作品づくりに余念がない。
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