明日から新宿で『大和(カリフォルニア)』が上映される大和出身の映画監督 宮崎 大祐さん 市内福田在住 38歳
真っ直ぐに映画と大和を愛す
○…『大和(カリフォルニア)』の”凱旋上映”を「儀式のようで、一種異様な雰囲気だった」と独特の言い回しで振り返る。作品は当初、音楽映画を考えていたが、東日本大震災で「明日をも見えない世界に直面し、”おらが街”が撮りたくなった」と方向転換。戦後、震災そして故郷。様々な問題を抱えつつ、それでも意外と変わらない世の中を、地元の街を通して表現した。「あの作品が自分の街について考える入口になれば」
○…横浜市泉区の生まれ。銀行マンの父の転勤で4歳からしばらくアメリカで過ごした。「アメリカに馴染み過ぎ」なのを両親に心配され、毎年、長期休暇の度に帰国、祖母の住む福田で過ごした。鯉の池やどぶ板の商店街が残る大和の街は、日本の戦後、昭和のイメージと重なった。作品には当時の面影が見え隠れする。
○…子どもの頃から映像に興味があった。大学ではテレビ番組の制作をめざしていたが、恩師や先輩の影響で映画の世界に。多い時は1日に8本、年間1000本もの映画を「見まくった」。「スーパー氷河期」と言われた就職活動時。面接官に「本気でやりたいことは」と問われ「映画」と即答したことで、不合格となった一方、踏ん切りもついた。映画美学校を出た後、スタッフとして撮影現場の中へ。2008年に初めて脚本を担当。この作品の撮影監督だった芦澤明子さんが「母のように」目をかけてくれたおかげで、3年後ついに監督作を世に送り出す。「桃太郎みたいにサポートしてくれる人が増えて…」と恥ずかしそうに周囲への感謝を口にした。
○…「やりたいことがあっても続けらないこともある」。そんな危機感を抱えつつ、常に次の作品のことを考え日々を過ごす。好きな音楽と映画と仲間に囲まれながら。
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