県政報告 時代をとらえて前へ。 神奈川県議会議員 杉本とおる
2024(令和5)年、新しい年が始まりました。干支は甲辰(きのえ・たつ)。十干で一番最初に来る、始まりの「甲」と十二支で唯一の架空の生き物であり、力強さの象徴ともいえる「辰」の組み合わせの年です。文字通り、これまで蓄えてきたものが芽吹き、天に昇るがごとく花を咲かせていくといった年になりますでしょうか。いずれにしましても、常に新しいことに挑戦する勇気と、目標に向かって突き進む粘り強さが大切でしょう。忘れずに過ごしていきたいと思います。
生活に寄り添う
昨年は、世界各地で紛争が続きました。これにより、世界経済の先行きが不透明なものとなり、エネルギーや原材料価格、為替など様々な分野に影響が及びました。さらに紛争の長期化も加わり、依然、出口が見えないのが現状と言えるでしょう。
国内・県内に目を移せば、新型コロナの感染症法上の位置づけが昨年5月に5類へと移行しました。コロナ禍の脱却へ向けて、社会・経済活動が正常化へ向かって大きく動き出しました。実際、数字だけを見れば、幅広い業種で売上等は回復基調にあります。しかし、前述のような経済環境の中にあっては、急激な物価高・コスト高に賃金の上昇が追い付かず、結果として、家計の負担は増すばかりでした。
県では、こうした中で生活者、事業者、医療、福祉、学校、農林水産業者などの補助や支援、また、県内産業の支援や消費者の負担軽減のためのポイント還元事業などで経済の下支えに努めてきました。
引き続き、県民の暮らしに寄り添う施策を展開して参ります。
社会状況に対応
神奈川県では、人口減少社会や超高齢社会への対応という観点で施策を抽出し、24年度から4年間の目標や、施策の基本的な方向を検討してきました。
時代とともに人々のニーズや価値観は変化していきます。だからこそ、時代感覚をとらえ、変化に即した改革や施策によるアプローチが求められ、そこに「かながわ」ならではの新しい価値も生まれていくのだと思います。今年、県でも様々な事業が具体化されていきます。その一部をご紹介します。
国や県では一般ドライバーが自家用車で有償で客を運ぶ「ライドシェア」の検討が昨年より始まっています。三浦市では、夜間の運行、箱根町では乗合タクシーの運行等の実証実験を始めます。地域公共交通の担い手や移動手段自体が減少している中、それをカバーする取り組みです。
また、本庁機関のスポーツ局を廃止し「国際文化スポーツ観光局」(仮称)を設置します。効率的な施策・事業を推進する体制の構築が目的です。近年スポーツツーリズムやスポーツ・文化を通じた国際交流が広がっています。一体的に取り組むことで新たな可能性が広がるでしょう。
中学、高校の部活動の地域移行は長年のテーマです。これについては、 担い手となる指導者等を登録する広域的な人材バンクの設置を行います。生徒がスポーツや文化活動に親しむ機会を確保しながら、教員の働き方改革を推進していきます。
強みを見出す
神奈川の魅力あるスポットを自転車で巡るおすすめのルートプランとして、14本のサイクリングルートを策定しています。県西地域では「足柄・箱根・真鶴周遊サイクリングルート」、「山北・中井サイクリングルート」、「中井・渋沢丘陵サイクリングルート」があります。エコで健康的として人気が高いサイクリング。地域の魅力発信の手段の一つになるでしょう。
このほか、4年ぶりの再開となる「第78回かながわ駅伝」が丹沢湖周回コースで開催されます。また、ユネスコ無形文化遺産に登録された「山北のお峰入り」は、かながわ文化芸術振興計画に組み入れ、県の財産として大切に活用していきます。
積み重ねを大切しながらも、過去にとらわれることなく、変化をしっかりと見据えて、独自の強みを見出すことが、現在のデジタル時代を生き抜くカギだと思います。私も、県、そして足柄上地域のために全力投球して参ります。
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