被災後の故郷へ―。
栄区の車販売・修理会社「ブルーパニック」の社員、三浦結介さん(30)は3月23日から3日間、東日本大震災に直面した宮城県石巻市に滞在、家族に物資を届けるなどした。
下倉田町在住の同社社長、金子健一郎さん(50)らが物資集めに協力、ワンボックス車2台に積まれた物資が三浦さんの家族や現地の人々に届けられた。特に、おむつなどの生理用品が喜ばれたという。
三浦さんの実家は比較的山間部の近くにあり、家に損傷は少なく、家族も全員無事だった。だが、地震発生後、家の前を流れる北上川は堤防の高さいっぱいにまで水が増え氾濫寸前。一部では堤防が決壊し、周辺地域がのみ込まれた。「テレビとは違う。自分の周囲360度が全て、崩壊した景色だった」。同市で仕事をしていた親しい先輩は、地震発生後に妻と子どもの安否を確認するため、海の近くにある家に車で向かった。渋滞待ちをしていたところに津波の第一波が到来。ひざの高さまで浸水したため、1分ほどどうするか考えた。嫌な予感がし、車を出た。数歩歩いたところで振り返ると、家屋2階の高さまである津波が眼前にあった。津波にのまれた人は流れてくる物に当たり死亡することが多かったというが、先輩は水面に上がった際に運よく流れてきた畳に乗り、一命をとりとめたという。
言葉からにじむ強さ
「私は大丈夫」。金子さんは被災地に住む仕事仲間との会話で、よくこの言葉を聞いた。自分よりもつらい人がいるという思いから発せられる気遣いの言葉。「東北の人の強さを感じた。一方で、東京などでは買いだめに走った人がいる…」。取材中、終始にこやかに対応していた三浦さんも、「買いだめ」の話になると、「信じられない」。険しい表情で、つぶやいた。
三浦さんは4月8日現在、同日夜に出発し、物資を届けに再び故郷へ向かう予定。「物資のニーズは日々、変わっている」(金子さん)。今回は、子ども向けの文房具やおもちゃ、菓子や酒などの嗜好品も届けるという。
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