震災、過去にしないで 秋葉町の小林さん 地元相馬市で支援
秋葉町在住の小林香代子さん(44)は今、周囲に提供を呼びかけるなどし、毛布と布団を集めている。東日本大震災で被災した地元の福島県相馬市へ物資として届けるためだ。
同市は同震災により古い家屋などが損壊、海沿いは津波で壊滅的な被害にあった。小林さんの両親が住む実家も半壊した。
鳥が丘小学校で教員を務める小林さんは、ゴールデンウィークや夏休みを利用し、同市で支援活動をしている。小林さんが支援の形として行っているのがフリーマーケット。無料でなく、10〜500円くらいの値段を設定し、仮設住居が並ぶ地域などで衣類や日用品を売る。フリマ開催の理由には、仮設住居の代表者から言われた言葉がある。「タダでもらうことに慣れてはいけない。お金を払うフリマの方がありがたい」。売り上げ金は、震災孤児のために活用されるようにと同市に寄付している。
地元への思い一変
実は、地元が嫌いだった。頑固な父との不和、さびれていく街並み。もう帰るまいと思っていた。震災後に、昔よく海水浴に行った地元の海の映像をインターネットで見た。何もなくなっている。その時に思った。「相馬市のために、何かしなくちゃ」。自分ではなぜかよく分からないというが、気持ちは、一変した。
同校2年3組の担任として1度、児童たちに震災の話をしたことがある。道徳の授業時間に、一面泥にまみれた同市の磯部地区や、電柱が折れ、船が路上にまで上がっている原釜地区の写真を見せた。児童たちは何と言ったらいいか分からない様子で、ただ「えー」と驚き、写真に釘付けになっていた。命の大切さや日常のありがたさをかみ砕いて話したが、どこまで伝わっているかは分からない。ただ、授業後にある児童が言った。「もっと先生の話、聞きたかったな」
戸塚区にいると震災が遠い過去のように感じることがある。だが、被災地はまだ普段の生活には戻っていない。「震災を過去の話にしてはいけない」。周囲の人に極力、自分の経験を話すようにしている。
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4月18日