仕立てた紳士服と牧野満さん＝作業場で
神奈川県が毎年、優れた技術・技能を持つ人を表彰する「神奈川県技能者等表彰」が11月に行われた。技能の第一人者として「神奈川の名工」とも称される卓越技能者に、テーラーマキノ（戸塚町）の牧野満さん、（株）日立アドバンストシステムズ（吉田町）の加治屋章さんが選ばれた。
卓越技能者の条件には、第一人者と目される極めて優れた技術を持つ、その職業に25年以上従事している45歳以上、後進への指導育成への尽力等がある。
牧野満さん（77）は一人ひとりの体型にぴったりと合わせる仕立て技術と補正技術に卓越していることから表彰された。今年で60年目。路面店は構えておらず、自分の足で地道に人間関係を築き、顧客を増やしていった。30年以上続けている社交ダンスの衣装も自分自身で仕立てる。「趣味も仕事も色々やっている。楽しみながらやるのは、ボケ防止になる」と笑う。近年、オーダーメードの注文も現役の職人も減りつつあるが、後輩の指導や技能コンクール出場は楽しいという。「今後も先頭に立って後輩に指導していきたい」と生き生きと話す。
電気通信機械器具組立工・修理工の加治屋章さんは、水中捜索ソナーや航空機捜索レーダー等の製造・修理を担当。三次元捜索装置の学識と高難易度の故障解析等に高い技能を持つことから表彰された。高齢者用の歩行訓練装置の開発・製造にも尽力している。
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