「ハンデがなかったら、マジシャンにはなっていなかった」―。そう話すのは、汲沢町在住のマジシャン、梅里(うめさと)隆一さん(29)だ。梅里さんは、日本では数少ない、片手のみで手品をする”ワンハンドマジシャン”のひとり。2011年に小田原でデビューを飾ってから早6年、ボランティア活動を中心に戸塚区内でも技を披露してきた。
梅里さんは小学生の頃、交通事故に遭い、以来左腕が使えない生活を余儀なくされた。1年間の入院生活を経て数年後、テレビでホスピタルクラウンというピエロ姿で長期入院中の人々を元気づけるパフォーマーの存在を知り、心を動かされたという。そんな中、高校時代に数あるパフォーマンスの中でも人を惹きつける手品に興味を抱いた。同時にホスピタルクラウンを知った時の感動が頭をよぎり、22歳でプロマジシャンを目指して本格的な修行を始めた。「一般的にパフォーマンスは両手でやるものだと思いますが、私のように片手が不自由な人間が芸を披露したら人に勇気を与えられるかもしれないと思い、やってみようと立ち上がりました」と梅里さん。
最初は失敗の連続だったが、一方で尊敬する師匠のもとで日々研さんを積んだ。一心不乱に手品と向き合う中で、片手を自在に操るためにカードを口にくわえたり、トランプを片手で切ったりと、自分なりの演出法を編み出していった。梅里さんはこうした自身のパフォーマンスを通して、ハンデが強みになることを実感したという。「私の手品を通して皆さんに笑顔になってほしい。もっと精力的に活動したい」と今後の抱負を語る。問い合わせは【携帯電話】090・4209・5167。
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