昨年11月に施行した「大井町地酒で乾杯を推進する条例」を機に、大井町が町ぐるみで地酒を使ったブランド作りに力を入れている。3月からは町内で計画的な酒米栽培を目指して農家を募集。新たな地酒を作るプランもある。
地酒での乾杯を奨励する条例は2013年に京都市が施行して全国に広まった。焼酎づくりが盛んな宮城県日南市や原料米「山田錦」の産地で知られる兵庫県加東市などで制定が進み、今年2月14日までに全国130の自治体にまで広まっているという(日本酒造組合中央会調べ)。
石井醸造(株)と井上酒造(株)がある大井町では、昨年11月に県内で初めて条例が施行され注目を集めている。 大井町商工振興会や酒販、飲食店の関係者らが呼応して大井町地酒で乾杯推進協議会(鈴木幸康会長)を立ち上げ、官民一体になり「地酒で乾杯する習慣」を広める活動に取り組んでいる。
推進協議会では今年2月に専門家を招き日本酒セミナーを開催して50人の参加者を集めた。3月11日と12日には自宅で地酒を楽しんでもらおうと町内で陶芸を指導する井田堯明さんを講師に招く「おちょこ作り教室」も開いた。3月20日(祝)にも「健康と美容」をテーマにした女性向けの日本酒講座も開く。
今後は町内の米農家に協力を呼びかけ大井町産の酒米を栽培して新酒を作る計画があり、特産品のひょうたんの活用を大井町ひょうたん文化推進協議会と工房「夢瓢」に依頼するなど仕掛けは続く。石井醸造と井上酒造も「積極的に検討したい」と取り組みを歓迎している。
商工振興会副会長で推進協議会の会長を務める鈴木幸康さんは「和食のユネスコ無形文化遺産登録や外国人旅行客の増加など日本酒の消費量が増える追い風が吹いている。大井町の名前をアピールするきっかけになれば」と話し、今後の展開にも意欲を示している。
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