丹沢湖畔にある旧山北町立三保中学校の跡地に1日、広域通信制「鹿島山北高等学校」(山下雅嗣校長)が開校した。2日に開校式があり、学校や地元、行政関係者ら70人が出席して開校を祝った。県によると全国から生徒を募集する広域通信制高校の本校開校は県内で初という。
少子化の影響で2014年に閉校した旧三保中学校の跡地利用は、山北町の懸案事項のひとつだった。その情報をインターネットで知った学校法人鹿島学園(茨城県鹿嶋市・大森伸一理事長)が同年8月、役場に活用の意向を伝えた。
打診を受けた町は地域性を生かした人材育成、地域の活性化に期待を寄せ、地元の三保地区住民の意向を踏まえ受け入れを決めた。 株式会社の学校設立が可能な構造改革特区「教育特区」を国に申請し、今年5月の特区認定を受けて鹿島学園が株式会社山北学園(大森伸一社長)を設立。広域通信制高校開校の申請を受けた町が山北町私立学校審議会(宮坂敏一会長)に諮問し、8月8日の「認可妥当」の答申を受け、9日に学校教育法に基づく認可書を交付した。
地域資源を活用
鹿島山北高校の総定員は1200人で、中学既卒者や高校からの編入者を中心に募集を開始。10月には生徒受入れの体制が整う。
入学した生徒は在宅の通信教育で添削指導を受け、年に最大4回の「スクーリング」で登校。3泊4日の日程で三保に滞在する。一度のスクーリングで約50人が地域の宿に宿泊して通学し、普通科目の授業や「自然」「環境」「観光」「介護」など地域資源を活用した科目の授業も受ける。食事も現地で手配する。
「才能と夢」
開校式で大森社長は「三方向を湖に囲まれた素晴らしい環境で豊かな自然の中で教育できる。通信制高校は若いプロスポーツ選手や芸能人、受験に専念したい生徒なども活用する高等教育で、編入や新入学の生徒数は年々増加している。才能と夢を持った生徒が三保から数多く巣立つことに期待したい」と述べ、開校までの山北町役場と地元の支援に感謝した。
湯川裕司町長は「学校の跡地利用に関心を持って頂いたことが始まりだった。皆様の力で山北町や三保地区にとっても素晴らしい学校にしていって欲しい」とあいさつした。
開校に向け1年半にわたり準備を続けてきた松尾洋佑教頭は「町の魅力や課題を生徒たちと共有していきたい。卒業後に千人のうち1人でも山北に住んでもらえれば」としている。
入学などに関する問い合わせは鹿島山北高校【電話】0465・78・3900へ。
足柄版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|