新春インタビュー 震災対策の強化・充実を 小川区長、区政を語る
本紙では新春特別企画として、小川浩之港北区長にインタビューを行った。区長は引き続き震災対策の充実や、区民に力を合わせてより良い区にするよう協力を呼びかけた(聞き手/本紙港北区編集室編集長・添田守男)。
――昨年の振り返りを。
「2011年の東日本大震災から1年経ち、一時期の大混乱もなくなり、区民の多くの方も平常の生活を送ることができたのではないでしょうか。区内・市内で発生した放射能問題に対処するため、区では放射線量測定機器の貸し出しを2月から始め、当初は予約で一杯でしたが5月からは落ち着いてきました。現在では測定しても高い数値が出なくなっています。そういった意味で落ち着きを取り戻しているという感想です」
――区内で印象的だったことは。
「地域で活動される団体を訪ねる『区長の出前ふれあいトーク』で街の美化に取組む方々に何度かお話をお聞きしました。区役所庁舎屋上の緑化をしてくださるサポーターや地域で花壇を作ってくださる方々などです。感心させられたのは、ご自分の趣味と、美化という公的な活動がうまく結びついていること。市内庁舎の緑化をボランティアでやってくれているのは、港北区だけでしょう。庁舎を訪れた人たちが屋上でお弁当を食べたりする光景も見られ、本当にありがたい。区としては、こうした活動をするグループを広く周知し、後継者を見つけるお手助けをさせて頂きたいですね。また、港北区に本社を構える「トーエル」さんと、災害時に飲料水やLPガスなどの必要物資の優先的な提供を受ける協定を結びました。加えて水害が起こった場合は社屋を避難所として提供して頂くことも決まっています。「トレッサ横浜」さんも施設を様々な活動をする際、利用させて頂いています。区内企業の温かさを感じたところです」
音楽の力で地域を元気に
――防災対策はやはり課題です。今年度の区の新規事業に、国家資格を持つ保健師などの救護活動の質を高めるための「救護活動体制整備事業」があります。
「この事業を始めたきっかけは「3・11」の際に区の保健師が避難場所に出向き、ケガの有無などを聞く状況があったのですが、『この人誰だろう?』という声があったことです。そこで区の保健師がきていることをひと目で分からせたかった。そのため装備を整えました。もう一つは、保健師の技術的なレベルアップを目指し、傷病者の緊急度や重症度を判別、優先順位をつけるトリアージ訓練もしたところです。今後は労災病院などがさらに専門的に行っている訓練にも参加させたいと考えています」
――震度6弱以上の発生で区は医師会、薬剤師会、歯科医師会の三師会と合同で医療救護を行う協定も結びました。
「従来は震度5弱で対応するとなっており、あいまいなところがありました。港北区は広く、人口も多い。いざという時にきちんと対応してくれるかが区民の懸念です。協定により、現在区内には医療救護拠点が9カ所ありますが、この拠点には、誰と誰と誰が行くというところまで、話が決まっています。もう一つの課題は、情報伝達です。「3・11」の時に連絡がつかないという事態が発生しました。そこでデジタルトランシーバーの導入を検討しています」
――これから進めたい施策は。
「次年度、市は横浜市を『音楽の年』にする方針です。そこで区内でも音楽を絡めたイベントを組みたい。太尾小学校、小机小学校、菊名小学校のマーチングバンド、大綱中学校、樽町中学校の吹奏楽は本当に盛んです。こうした学校の活動を積極的に紹介していきたいですね。音楽で地域を元気にできたら嬉しいですよね」
――最後に区民にメッセージを
「一緒に課題解決に取組んでいただきたいと願っています。区側も職員のレベルアップをさらに図っていきますので、一緒により良い区にできるようご協力お願いいたします」
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