港北警察署(久保田信義署長)管内で今年発生した振り込め詐欺の被害総額が、11月末現在で約1億7190万円となっており、県下54署中ワーストワンの状況だ。同署では「少しでも被害を減らすために対策を強化していきたい」と話している。
今年区内で発生した振り込め詐欺の1件あたりの最高被害額は、日吉本町で7月に発生した3900万円。「購入した債権のキャンセル料が必要だ」といった「架空請求詐欺」の手口で、投資会社社員を装った男に計8回に渡って手渡してしまった。
11月末現在、被害総額は1億7190万円。7月末時点で1億2700万円と、昨年の8682万円を上回っている。60代から80代を中心とした高齢者の被害が多いのが特徴だ。
同署によると、管内で発生した振り込め詐欺の大半は、息子や孫を装って電話をかけてくる「オレオレ詐欺」。具体的には「電車に小切手が入ったカバンを置き忘れてしまったのでお金を用立ててくれないか。会社の同僚が取りに行くので手渡してほしい」といった内容の電話で金銭をだまし取る「手渡し方式」が多いという。そのほか、税務署員を装って還付金を受け取る手続きだと言って金銭を振り込ませる「還付金詐欺」も確認されている。
同署は「人口が多く、富裕層も多いことなどから狙われやすいのでは。被害者も、振り込め詐欺という言葉を耳にしているが、息子や孫を装われると本当だと思い込んでしまうようだ」と分析する。
「金銭要求に注意を」
同署はこれまで、自治会町内会などへ出向いての防犯講話や区内金融機関関係者を集めての緊急会議などを実施。区内の老人クラブに対して啓発物を配布するなどの取り組みも行ってきた。また現在は12月27日(金)まで金融機関での特別警戒を実施し、利用者や窓口への呼びかけを強化している。同署生活安全課では「話で金銭を要求されたら振り込め詐欺です」と注意を呼びかけるとともに「高齢者の貴重な財産を守る対策を強化する」と話した。
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