港北土木事務所は、大倉山の記念館坂のソメイヨシノが腐食し倒木の危険があるとして、6本のうち5本を7月に伐採する。第二次世界大戦後に植えられた長い歴史があり、今でも毎年きれいな花を咲かせる桜だけに、地域住民からは別れを惜しむ声も上がっている。
昨年4月に川崎市で街路樹の枝が落下し女児が負傷するなど、全国的に倒木による事故が発生している。横浜市はこうした現状を受け、昨年度から4年間をかけて、各区で樹木医に依頼し、街路樹の調査を行うように働きかけている。サクラ類、ケヤキ、ユリノキなど、腐食の原因となるベッコウタケなどのキノコが寄生しやすい、8種類の約2万8千本が対象だ。
港北区でも、樹木医が交通量の多い場所や老木を優先的に、昨年度は約300本を調査。そのうち約30本の根元付近で精密診断を行い、空洞率が50%以上と予測される14本に倒木の可能性があるとして、伐採をすることを決定した。このうち、ケヤキなどの6本は昨年度に伐採済み。サクラ類は今年の開花が終わるのを待ち、台風シーズン前の6月から7月にかけて伐採が進められている。
土木事務所「理解を」
大倉山駅から大倉山記念館に続く「記念館坂」に現在、植えられているソメイヨシノもその対象となっており、現在、6本が植えられているが、空洞率が50%未満だった1本を残し、5本が伐採される。最も空洞率が高いもので76・2%と非常に腐食が進んでいるという。
東急東横線路沿いに植えられているため、敷地内への侵入があり、「倒木すると、大きな事故や電車の運休つながる可能性が高い」と東急電鉄も話す。伐採作業時間は運行がストップする夜間に限られるため、同社と土木事務所との協議により、7月の後半に伐採が決定された。
伐採後は地域住民と相談しながら、違う種の桜を含む街路樹を植えることも視野に入れ、区民に親しまれるような整備をしていく方針だ。
港北土木事務所は「地域の方から多くの惜しむ声をいただいているが、安全性を最優先に考えた結果です。ご理解をいただけたら」と話している。
地域に愛され70年
大倉山のシンボルとして地元民から長く愛されてきた桜並木。港北区の歴史が綴られている「わがまち港北」によるとこのソメイヨシノが植えられたのは1946年ごろ。戦地から復員してきた太尾(現・大倉山)の若者たちが中心となり「青年同志会」という青年団が結成され、戦争で荒れた郷里の復興活動を行っていた。その一環として植えられたという。
当時、植樹に関わった港北区商店街連合会の吉原昭彦会長(87)は「寿命だからしょうがない。商店街としても、緑の再生として、代わりになる木について考えていきたい」と話す。
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