本紙では新春特別企画として、横山日出夫区長にインタビューを行った。区長は昨年を綱島・日吉地域の街づくりのめどが立ったことなど、明るい話題が多い一年だったと総括した。2016年はその新しい姿が見えてくる最初の年と位置づけ、期待感を示した(聞き手/本紙港北区編集長・添田守男)。
――昨年の振り返りを。
「まず、福祉関係の新制度がスタートした年と言えます。具体的には3つ。保育園、幼稚園、子育て支援の充実などに、トータル的に市が関わる「子ども・子育て支援新制度」の本格施行。次に生活に困っている方を支援する「生活困窮者自立支援法」。区役所とハローワークが連携して就職活動をサポートしています。最後に「改正介護保険法」の一部施行。医療と介護を連携する仕組みづくりが始まっています。これに加えてマイナンバー制度の導入。さらに4月の統一地方選挙、9月にはインターネット活用を初めて導入した国勢調査もありました。また、「第3期のひっとプラン港北」の策定も進んでいます。いずれも地域の皆さんの協力がなければできないものです。港北区は市内最大の人口数で、同時に出生数、転出入者も最大。未就学児童数が多いだけでなく、要介護高齢者や障害者の方も増えています。こうした現状を踏まえ、職員とともに滞りのない対応をするよう心掛けてきました。総じて安定した区政運営ができたと考えています」
――印象深かった事は。
「常総市の水害です。港北区は鶴見川を抱えていることから、他人事ではないと気持ちを新たにしました。区では昭和51年9月の台風で浸水しましたが、それ以降はありません。国に治水対策を繰り返し要望してきたことが、鶴見川多目的遊水地の設置に実を結んだからだと思います。改めて感じ入ったのは、港北区民の市民力の豊かさ。「ひっとプラン」策定に対しての建設的な議論、「港北芸術祭」での出品作品の高いレベル、区内在住の芸術家の方々のご協力など、本当に素晴らしい。文化がらみでは、港北公会堂の緞帳を37年ぶりに洗いました。この緞帳は人間国宝の芹沢銈介さんが下絵を描いたもので、下田町の田邊さんのご尽力により形になったものです。区内には古くからお住まいの方が多数おられ、様々な形でご協力頂いています」
――綱島・日吉地域を中心にした街づくり・再開発が活発です。
「綱島にできる新駅建設、それに伴う区民文化センターの設置は、文化活動が盛んな区民に喜んでもらえると思います。また、パナソニック綱島事業所跡地での米アップル施設の工事が着工、さらに箕輪町の小学校新設。そして2019年に相鉄線と東横線の直通線が開通します。その前後に綱島から日吉間のまちづくりが着々と進みます。区内の新しい街としては、南に新横浜がありますが、今度は北にも綱島・日吉地域ができます。そして時を同じくしてラグビーワールドカップの決勝戦、東京五輪の開催。大勢の観光客も来られ、賑わいも生まれるでしょう。有難いことです」
――区政の課題は。
「1つは防災です。市が行った危機管理アンケートでは、9割の方は大地震が起きると考えています。その一方で港北区民の約3分の2が防災訓練に参加していません。市平均が約5割ですから、かなり低い数字です。これは反省をしていまして、様々なツールを通じて啓発を進めていきます。
――最後に区民にメッセージを。
「28年度は、新しい街の姿が見えてくる最初の年となると思います。日々の生活が大変な方、自然災害のリスクもありますが、『悲観は感情、楽観は意志』という言葉を胸に、明るい未来を見て区政運営にあたっていきます」
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