昨秋、港北公会堂落成から35年を経て初めて緞帳(どんちょう)のクリーニングが行われたが、現在公会堂ロビーで、作業工程を紹介したパネル展示がされている。特殊技術により当時の色合いを取り戻していく様子が見て取れる内容だ。
1978年の港北公会堂落成時に設置され、35年が経過していたこの緞帳。縦6・5m、幅13・2mあり、区を象徴する鶴見川の流れなどをイメージしている。区によると、年月の経過に伴い表面の汚れが目立ってきていたことから、昨年10月の公会堂工事休館に併せてクリーニングを初めて実施した。
作業は、緞帳洗浄の技術を持つ京都の呉服工芸織物会社に依頼。工程は降ろされた緞帳の裏地などを外すことからスタートし、次に新しい裏地を縫製。その後、表地の汚れを専用掃除機や特殊な洗浄泡で落としていった。縫製作業は、職人3人が3日掛かりで行ったという。
4月10日(日)まで、公会堂ロビーでクリーニング作業の工程を紹介したパネル14点や、緞帳の原画「陽に萌ゆる丘」の複製が展示されており、見学することができる。
区の担当者は「業者によると、10年に1度は洗浄・補修を行うのが理想との話だったので、今後も大切にしていきたい」と話した。
下田町の美術館に原画
緞帳の原画は、3月24日に横浜市の歴史的建造物に認定された「日吉の森庭園美術館」(下田町3の10の34)に保管されている。元々同館は、故・田邊泰孝さんの住宅で、生前泰孝さんが人間国宝の芹沢銈介氏に図案作成を依頼した関係で現在も保管されている。
泰孝さんの娘・美紗代さんは「父の気持ちや熱意がこもった緞帳を区が大切にしてくださることを嬉しく思う。末永く多くの人の目に触れることを期待する」と笑顔で話した。
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