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旧市庁舎 村野藤吾の意匠 随所に 60年の役目終え見学会

社会

掲載号:2021年1月14日号

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左/2層吹き抜けの大空間「市民広間」。右/執務室に見られたスピーカーと一体型の時計
左/2層吹き抜けの大空間「市民広間」。右/執務室に見られたスピーカーと一体型の時計

 60年にわたり横浜市政の拠点だったJR関内駅前の旧市庁舎は、中区北仲通への移転にともない、昨年5月22日にその役割を終えた。12月には、建物に入る最後の機会である見学会が2日間にわたり行われ、計220人が参加した。

 旧市庁舎は、開港100周年の記念事業として1959年に建てられた7代目の建物。設計は日本の近代建築の巨匠として知られる村野藤吾氏。村野氏は公共建築からオフィス、住宅、また喫茶店やキャバレーまで、ありとあらゆる空間を設計している。

 旧市庁舎の特徴の一つとしてあげられるのが、1階部分の2層吹き抜けの「市民広間」。見学会の案内役を務めた市都市デザイン室の職員は、「市職員でも市民『広場』と間違える人がいるほど」と紹介していた。

 設計コンペでは、この大空間が行政棟と市会棟をつなぎ、市職員や議員との公的な接触の場となるという思想が評価され、村野案が選ばれた。また、村野氏と良く協働していたという彫刻家、辻晋堂氏のレリーフ「海・波・船」が壁一面に広がり、来庁者の目を楽しませていた。

木のぬくもり溢れる議場

 議場は、木のパネルの壁面とそれに合わせた机で、木のぬくもりを感じる空間。天井の円状照明が特徴的だ。都内から参加した高田洋子さんは「市会棟の取り壊しはもったいない。村野氏の設計物を海外の人にも見せたかった」と悔しさをにじませていた。

 旧市庁舎一帯は、産学連携、観光・集客というテーマに沿った再開発を予定しており、三井不動産を代表とする8社が事業予定者。行政棟は星野リゾートが「レガシーホテル」として保存活用する計画だ。市会棟は今年1月から解体工事などが行われる予定。

右/シンプルな円状の照明(議場)左/解体される市会棟
右/シンプルな円状の照明(議場)左/解体される市会棟

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