仙台の盲導犬 新吉田で元気に訓練中 東日本大震災受け
仙台から来た犬たち
東日本大震災を受け、日本盲導犬協会の仙台訓練センターで盲導犬を目指して訓練中の候補犬が、区内新吉田町にある神奈川訓練センターに身を寄せている。訓練も再開しており、すでに卒業して盲導犬になった犬もいる。
仙台訓練センターは、東北地方にある唯一の盲導犬育成施設。震災による大きな人的・建物被害はなかったというが、電気・ガス・水道のライフラインが絶たれた。職員も被災者であることから、十分な訓練ができなくなっていた。
神奈川が対策本部に
神奈川訓練センターは訓練士が多く、宿泊施設があり、24時間体制での勤務が可能であることから、全国の同協会施設の中でも災害対策本部と位置づけられた。盲導犬ユーザーや視覚障害者の安否確認作業も行われている。
神奈川訓練センターでは、先月18日に救援物資を積んだトラックを被災地に派遣。その帰りに仙台訓練センターの候補犬など17頭を乗せて神奈川に戻った。犬たちは全頭元気だという。候補犬たちは１週間ほどで訓練を再開した。候補犬はその使用者とユニットを組み、共同訓練を経て盲導犬になる。仙台から使用者と一緒に来た１頭が無事に訓練を終え、神奈川で盲導犬デビューを果たした。候補犬たちは仙台訓練センターが復旧すれば戻る見通し。同協会は「仙台訓練センターが期待される役割は大きい。視覚障害者のリハビリ施設でもある。できるだけ早く通常の状態に戻していきたい」としている。
同協会では、被災した盲導犬および盲導犬ユーザー・視覚障害者の支援を目的とした「盲導犬ハート募金」を立ち上げた。詳しくは普及推進事業部チャリティデスク０８００・１００・３９１１（平日午前９時〜午後６時）まで。
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