毎年10月は市内全域で、違法駐車と放置自転車・バイク追放の強化月間と位置づけられており、区内各地でも今月末までキャンペーンが実施されている。ここ数年で区内の放置自転車は減少傾向にあるが、数は依然多く、課題は残っている。
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年間を通して市道路局が行っている放置自転車の撤去に加え、今回のキャンペーンでは、区独自でも撤去を行っている。このほか区は自治会町内会などの関係団体に協力を依頼して、放置自転車に啓発用の札を取り付けている。
区内12駅周辺の放置自転車台数は、2007年には3063台だったが10年には1902台と4割近く減少。日吉・綱島・大倉山・菊名・新横浜の主要5駅周辺でも、2286台(07年)から1057台(10年)と半数以上減らすことに成功した。区では、▼駐輪場の新設▼地元ボランティアや委託している民間警備会社の監視員設置▼区のキャンペーンなどが奏功したのではと見ている。
根本的な解消なるか自転車盗の問題も
しかし、横浜市内でも最多の33万人の人口を有する港北区。依然として台数自体が多いのも現状だ。
新羽駅の現状
区内西部に位置する、市営地下鉄ブルーライン新羽駅。昨年の放置台数は383台と、綱島に次ぐ数を記録している。
地域住民からの要望もあり、市交通局の外郭団体である「横浜交通開発(株)」が今年7月、すでに設置されていた駅北側の駐輪場に加え、駅南側にも240台収容できる定期専用駐輪場を新設。10月からは、午前6時30分〜9時30分の通勤時間帯に合わせ、駅前に区が委託した民間警備会社の監視員3人を配置し、禁止区域に駐輪しようとする人に声がけをする取り組みも始めた。これらにより、まだ具体的な数値は出ていないが、駅前の放置台数は目に見えて減少している。
ところが、駅南側の駐輪場の利用率は新設して3か月以上経った現在も低迷。定期専用ということもあり、利用は6、7台ほどだという。このため、運営する横浜交通開発(株)では一時利用も検討中だ。
加えて、以前から問題となっていた、駅東側に隣接する商業ビル敷地内に止められた自転車。同ビル東側にある専用駐輪場には、営業時間前から駅利用者と思われる自転車がすでに止められており、買物客は歩道などに駐輪することが多いという。街づくりの観点から”いこいの広場”として位置づけられている同ビル北西側には、植え込みやベンチが設置されているが、こちら側にもその間を縫うように自転車が並ぶ。行政側も民有地には介入ができないため、民・官両者で協議を始めている。
無施錠と放置が要因
一方、放置された自転車からの発生も多いという「自転車盗」が、区内で861件(07年)、900件(08年)、1074件(09年)、1114件(10年)と増加していたが、今年に入って減少に転じ、9月末時点で昨年比100件以上減った。港北警察署では、「自転車盗は無施錠と違法駐輪が要因。鍵も二重ロックにするなど、利用者のマナー遵守が大切」とする。
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