港北警察署（石井康友署長）は９月27 日、県警特殊詐欺緊急検挙対策プロジェクトと協働し、プロジェクト発足後県内で初めて、振り込め詐欺事件の指示役容疑の男を検挙した。
１００人体制で結成
神奈川県警は９月17日、過去最悪のペースで推移している振り込め詐欺被害に歯止めをかけようと、１００人体制の専従捜査班を結成した。これまでは現金の受け取り役である「受け子」に検挙がとどまり犯行グループの中枢にまで捜査が及んでいない現状があった。こうした中、港北署は、同班発足以来初となる受け子などへの指示役容疑の男を27日に検挙した。
同案件は、港北署管内で発生した１件の振り込め詐欺事件が発端。７月24日、70歳代女性宅に「大切な書類が入ったかばんをなくしてしまって１５００万円が必要。どうにかならないか」と、男から電話が入り、不審に思った女性が同署に相談、おとり捜査で金を受け取りに来た少年をその場で検挙した。同署によると、取り調べを進める中で、６月13日に川崎市内で発生した60歳代女性から現金４９０万円をだまし取った案件にも受け子として関わっていたこと、さらに犯行グループの指示役と見られる１人の男について供述したという。
同署は少年の供述を受け、内定捜査を実施。加えて、知能犯の捜査を担当する捜査２課、暴力団対策課、生活安全部門などからなる県警プロジェクトと協働し、東保胤乃助（とうほつぐのすけ）容疑者（中郡大磯町・職業不詳・21歳）を検挙した。県警では男を取り調べているが「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。
県内では振り込め詐欺の検挙件数は増えているが被害は減少しておらず、同署では「今後も署員一丸となり、またプロジェクトと協力し、抑止と検挙に力を入れていく」と話している。
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