約39年間にわたり地域住民に親しまれてきた日吉地域の大型商業施設「アピタ日吉店」(箕輪町2の7の5)が11月末をもって閉店する。現在、閉店に伴うセールを実施中だが、一部のテナントでは閉店を不服とし、施設閉店以降も継続する意向を示している。
同施設を運営するユニー(株)(本社=愛知県)は1977年、岡本工作機械製作所が所有していた工場跡地に「サンテラス日吉」をオープン。2009年に店名を「アピタ日吉店」とし、営業を継続してきていた。
今年6月から徐々に撤退するテナントが見られ、8月には「11月下旬をもって閉店」と公表。その後は継続的に閉店セールを実施し、店内にも11月29日閉店の張り紙が掲出されている(9月26日現在)。今後については、現在綱島東のパナソニック(株)工場跡地に、パナソニックのほか横浜市や野村不動産(株)が協同で開発している次世代都市型スマートシティの一部に新店舗の設置を進めており、同社は「今回の閉店は新店舗に業務を移転するため」とした。
5店舗は継続営業か
一方で、店内のテナント側に同社が閉店の旨を伝えたのは3月下旬のこと。「閉店前わずか8カ月の発表という点やユニーが提示した条件に不服」として5つのテナント「ヒラタ」「カフェ・ラ・ターブル」「サヴウェイ」「サンテラス歯科医院」「プルミエ・ココ」が、閉店以降も営業を継続する意向を示している。
サンテラス歯科・佐倉肇院長は、「現在ユニーと協議中だ」と話している。これに対して同社は「その件に関してはコメントを控えたい」とする。
「今後の用途は検討中」
アピタ日吉店の敷地面積は約2万平方メートル。敷地は今年3月、野村不動産(株)が取得をしており、同社広報部は「今後の用途については検討中」としている。
地域住民からは新たな商業施設・大規模マンションなどを含めて今後の活用法に注目が集まっている。また、周辺地域では近年、人口・世帯数が増加しており、住民から横浜市に対して公立中学校の整備を要望した経緯もある。市が発表した2015年度義務教育人口推計表でも15年と21年の児童数の比較で、近隣の綱島東小では590人から851人と大幅に増加するとされている。これに対し港北選出の市議会議員は「急激な人口増加となれば、市も必要に応じて対応をしなくてならないのでは」と語る。
また、日吉在住のある主婦は「生活日常品などを車で買いに行ける店がなくなるのは困る。生活に密着していたので残念」と話していた。
|
<PR>
港北区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|