港北理容組合(松橋豊支部長)は超高齢化社会に対応するため、港北・都筑区内の特別老人ホームや老人福祉保健施設などへの出張理容サービスを始める。新たな協議会を立ち上げ、会則も作成。現在は行政からのアドバイスを受けながら今秋からのスタートめざし、準備を進めている。
今秋からスタート
今回の動きは国の国内経済活性に向けた規制緩和策の1つ。現行法令でも理美容者の出張理容は認められているものの、その対象範囲などが曖昧だったことから解釈の見直しを今年3月に実施。現在の高齢社会を迎えた社会情勢を受け、対象範囲の拡大と具体的症例を整理・明確化した。それによると、認知症や骨折、高齢の重度要介護者を介護する人や、乳幼児を育児している保護者など、来店が困難な人への出張を認めるとしている。
高齢化社会に貢献
港北理容組合ではこうした国の流れを受け、市内の理容組合で構成される、横浜市理容連合会の会合の中で、特養や老健への出張理容を始める意向を示した。松橋支部長は「当組合員の中でも個々で横浜市訪問理容サービスに加入している人もいるが、この機会に組合全体で新たな分野にチャレンジする必要性があると判断した」と話す。その理由は組合未加入の競合理容店の増加のほか、長年の顧客が高齢者となり、施設に入所したことなどによる来店者減少という厳しい現状認識によるものだ。加えて組合では社会貢献を重視しており、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を踏まえた地域包括ケアシステムの構築実現に尽力したいとの思いを持っていたことも、今回の取り組みの背景となっている。
「衛生第一に」
組合では出張理容サービスを開始するにあたり、新たに「港北・都筑施設訪問理容協議会」を設立。松橋支部長を加えた4人の理事を選任し、組織管理、行政対応、施設側への営業など各自の役割を明確化している。さらに会則も作成した。こうした現状を港北区役所に報告。区生活衛生課からは会員に対する技術教育の実施、業務実績の記録などの助言を受けているという。 同課では「区民の生活利便性が向上につながることで、歓迎している。法令順守をお願いしたい」としている。
現時点で参加の手を上げている理容師15人は、認知症などを患う施設入所者を想定した技術研修をこれから受ける。協議会では施術料設定や営業活動を開始し、9月にはサービスを始める。
松橋支部長は「おそらく1カ月に1回、各施設に出張する。私たちが最も大切にする『衛生第一』を掲げ、高齢者支援、組合加盟店の営業支援の両面で積極的に取り組んでいきたい」と語った。
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