日吉地区では10月1日、日吉南、日吉台、矢上、下田、駒林の5拠点合同で防災拠点訓練を行う。こうした地区単位の大規模な訓練は区内初。大震災が起こったときのため、訓練参加者の災害対応力向上を目指す。
日吉地区には約2万6千所帯、約7万2千人が住んでいる。発災時、各拠点に避難する人数を想定するのは困難で、実際に災害が発生すると、消防署、区、水道局などの公助が受けられるのは3日後といわれる。そうなると二次災害、負傷者、食料不足などへの対応が十分に行き届かない可能性もある。
そうした現実を踏まえ、あらかじめ同日に大規模訓練を行うことで、町内会、消防署、区、水道局それぞれが問題点を洗い出し、改善していくことが今回の目的だ。
訓練は、午前8時に東京湾北部地震発生、港北区では震度6強の揺れが起こったという想定で行われる。各拠点の開設をはじめ、避難者受け入れ、災害状況、交通機関・公的機関の活動・物資運搬などの状況把握を中心に進められ、各拠点の情報をアマチュア無線で連絡し合う。初めての合同訓練ということもあり、他拠点との連携を最重要視するという。
給水設備はあるものの、消防署員の到着前には使用できないため、水がない設定で訓練を行う。避難所で問題視されるのはトイレ。日吉地区ではプールの水を引いて流す仮設トイレや組み立て式トイレを常備しており、訓練当日もこれらのみで対応する拠点もあるという。
また港北区役所では、職員が自宅から各担当拠点に駆け付ける訓練も行う。
東日本大震災での経験
6年前の東日本大震災時、港北区日吉本町では震度5強を観測した。その中で日吉南小学校の防災拠点が横浜市で唯一立ち上がった。午後5時ころ、約200人もの児童が親の迎えが来るまで待機。さらに家が遠く帰れない、家族が帰っておらず不安だなどの理由で避難してきた人もおり、午後7時で70〜80人ほど、1泊した人は40人ほどいたという。
まだ肌寒い3月半ばの体育館。2台のヒーターで暖をとり、体操マットを敷いて睡眠をとった。食料はパン、水など校内にあるものを提供。拠点の立ち上げを聞きつけ、炊き出しに来てくれた近隣住民もいたという。校長は子どもたちに食料を配布させ、場を和ませた。
こうした経験から、発災時の避難所の過酷さは想定できる。本番に対応できるよう、訓練で改善点を見つけ出すことが要となる。
食料は用意する意識で
各拠点での訓練では、参加するだけで満足してしまう人もいるという。そのため、自助がどれだけ大切なのか、今回の訓練で再認識することが重要となってくる。日吉連合町内会の小島清会長は「水、食料など、是非自分たちで用意してくる意識で参加していただければ」と話す。
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